牡蠣や卵などは、なぜ摂り過ぎてはいけない?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第88回は、牡蠣や卵などが摂り過ぎに注意と言われる理由について。

■栄養価が高すぎるため、すぐに推奨量に達してしまう

牡蠣も卵もかなり栄養価の高い食べ物です。

牡蠣は海のミルクなどと呼ばれたりもしますが、なんといっても圧倒的に亜鉛が豊富です。他にもヘム鉄を多く含む貴重な食材であり、ビタミン類やアミノ酸も豊富に含まれています。また糖質にはグリコーゲンが多く含まれていて、おいしさと栄養価を兼ね備えた代表食材と言えます。

つまり単においしいというだけでなく、栄養価の面からも非常に価値の高い食材なのです。しかし、おいしいがゆえについ食べ過ぎてしまうという側面もあわせ持ちます。いかなる栄養素でも過剰はデメリットとなります。

日本人の一般的な亜鉛の摂取量は一日9mg程度とやや推奨量に足りない状態で、ましてやトレーニングをする人はより多く摂る必要があります。また、若い女性の場合はそもそもの摂取量が低いため、意識して摂るべき栄養素でもあります。さらには加工食品に含まれる食品添加物に亜鉛キレート剤(活性を低下させる薬剤)が使われていることも多く、子ども、老人、女性、アスリートの間では不足気味のミネラルと言えます。

ところが牡蠣はあまりにも亜鉛の含有量が多いので、大きめの牡蠣を3つ程度食べると一日の推奨量に届いてしまうのです。亜鉛の耐用上限値は推奨量の3~4倍程度もありますが、それでもおいしい牡蠣を食べ続けるとそこにまで近づいてしまうのです。

卵も似たような理由があります。

卵は物価の優等生でもありますが、同時に栄養価も優等生です。脂質が多めではありますが、タンパク質のアミノ酸組成も優れていますし、タンパク質効率や正味タンパク質利用率となると、ホエイタンパクよりも優れているほどです。

調理によってもさまざまな料理が可能であり、日々食卓に出ない日がないのではないでしょうか。しかしそれがゆえに、過剰摂取しやすい代表とも言えます。その場合はコレステロールや中性脂肪などの問題が出てきたり、カロリー過多となる可能性もあります。

昔、ロッキーの映画に影響されて、生卵をいくつも丸飲みした自分を思い出しては反省しています。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。