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時にはやらない努力も必要。【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第162回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか? 昨日、ヒザの腫瘍の病理検査の結果が良性と出て一安心しているところです。

(C)WavebreakMediaMicro-stock.adobe.com

さて、手術後から抜糸までの約2週間、ヒザに負担がかかる運動を禁止されていたため、走ることができませんでした。走って汗を流してスッキリするのが好きで、ジムでは筋トレ後に30分走ることにしています。このルーティンが崩れるのは精神的にはなかなかのダメージでした。いつもやっていることができないと、いつもの自分が崩れていくようで、結構なストレスになります。やるべきことをやらないと気持ち悪いという感覚は、心身ともにハードな毎日を過ごしていた、高校時代に培われたものです。

 

現実的な目標として日本一を目指していた高校時代は、部活の練習が360日あり(平日は朝・昼・夕方の3部練習)、毎朝走っていました。年5日の休みのうち、大晦日、元日、1月2日は3連休。しかし、3日も続けて休んだらそれまでの練習貯金がなくなる恐怖があり、2日には自主的にランニングと筋トレをしていました。今もこの感覚は残っていて、グータラした時間を長く続けるのが苦手なのです。

 

ただ、学生時代と違うのは、日本一もオリンピックも目指していないということ。アスリートではなく、ただのおじさんだということ。普通に健康維持を目的にトレーニングをしているだけなので、練習貯金を気にする必要はありません。2週間走れなくて心肺機能が落ちたとしても、時間をかけて取り戻せばいいだけです。それよりも、無理をして傷が再び開いたり、化膿してしまったりしたら、ますますできない時間が長くなると思い、今回は走ること、ヒザへ負荷がかかることは完全に控えました。45歳にして練習を我慢できる大人になれました。

 

時を同じくして古傷である左肩にも痛みが発生。こちらは痛みの影響で強い負荷をかけることができません。現在は肩に痛みを感じない程度の負荷や、左肩を使わないメニューでなんとかやりくり。できない時間が長くなると筋肉が落ちる恐怖はあるものの、回復に努めるべく、無理のない範囲でトレーニングをしている状態です。

 

頭の中にはバリバリのアスリートだった自分がいるため、年をとってできないことが増える自分を受け入れるのはなかなか大変なことです。スポーツを真剣にやっていた人には、私と同じような感覚がある人もいると思います。ここで忘れてはいけないのは、あくまでも健康目的で日々ジムに通っているということ。現役時代とは違うので、追い込みすぎてあちこちに故障を抱えてしまっては本末転倒。自分にそう言い聞かせてやらない努力を続けているところです。

 

ヒザに関しては医師からのGOが出たため、今週からは走ることもできるし、ジャンプ系もできます。ヒザに負荷がかかるトレーニングをできるので、肩のほうはもう少し我慢して回復を待ちたいと思います。

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。