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調整豆乳と無調整豆乳の違いは?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第96回は、スーパーやコンビニでよく見かける豆乳の種類について。

■飲みやすさ重視か、栄養素重視か

豆乳を日常生活に取り入れると、ぐっとヘルシー感が増していきますね。プロテインを割るのもよし、シリアルやオートミールにかけて食べるもよし、もちろんそのまま飲むのもよしといった具合です。

調整豆乳と無調整豆乳の最大の違いは、豆乳内の大豆固形分の割合の違いで、無調整豆乳の場合は8%以上で、調整豆乳は6%以上のものと規定されています。別の見方をすると、無調整豆乳に砂糖なり塩分なりを加えてより飲みやすくしたものが調整豆乳ということになります。したがって大豆タンパク質を始め、イソフラボン、レシチン、サポニンといった主要な栄養素は、無調整豆乳のほうが多く含まれています

味の面においては無調整豆乳は大豆の風味が比較的強く残り、人によっては苦手と感じる人もいるかもしれませんが、これは好みの問題でしょう。ざっくりと長短を分けるならば、タンパク質をより多く摂りたいという場合は無調整豆乳で、ダイレクトに飲んで癖が少ないのは調整豆乳といったところでしょうか。レアケースかもしれませんが、豆乳から手作りの豆腐などを作るといった場合は、調整豆乳ではうまくいかないので無調整豆乳を使うことになりますが、無調整豆乳は加熱をすると分離してしまうため、スープ系のものを作る場合は調整豆乳のほうが向いているかもしれません。

豆乳自体で意外に気をつけなくてはいけないのが、開封後の劣化のスピードです。賞味期限自体は1ヵ月以上先くらいが記載されていると思いますが、開封後もそこまで日持ちがするかというと、仮に冷蔵後で保管をしていても意外に劣化が早いのです。これは豆乳の栄養価が高いことと裏腹なのですが、雑菌などが繁殖しやすく気をつけなくてはいけません。ドロドロになっていたり、沈殿したり、味が変わったりしている場合は、賞味期限内であっても、また冷蔵庫で適切に保管をしていたとしても廃棄することをおすすめします。

余談になりますが、以前販売していたパワープロダクションの「ゴールデンタイムプロテイン(現在のエキストラアミノアシッドプロテイン)」はヨーグルト風味でしたが、これを調整豆乳で割ると、レアチーズケーキの味になると一部で話題になったことがあります。

ところがこれを無調整豆乳で割ってもその味にならなかったので、個人的にはその違いが両者の一番の違いだと思っています(笑)。

 


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。