体のことを考えるなら、ラーメンは何味がいい?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。記念すべき第100回は、健康的にラーメンを食べるなら何味がいいのか?という疑問について。

■しいて挙げるならとんこつラーメンだが……

なかなか悩ましい質問ですね。健康のことを考えながらラーメンなんか食べるなと言いたいところですが(笑)、現実はそうもいきませんよね。

栄養バランスなどを考えれば、ちゃんぽん麺や五目ラーメンのように具の多いものがおすすめです。あまりメジャーではありませんが、私も一時野菜ラーメンなるものにハマっていたことがありましたが、野菜にした理由はどこかラーメンを食べる言い訳を求めていた感がしないでもないです。

ただ、ラーメンが体にとってマイナスとなるのは、脂質過多やカロリー過多よりも圧倒的に塩分過多の部分でしょう。そうなるとこれはもう、ほぼ全滅に近い状態になってしまいます。とくに日本人は塩分の摂り過ぎ(スポーツやトレーニングシーンは除く)が問題になっていて、元来年齢によって異なりますが、男性なら一日8g以内、女性で7g以内が目標量とされていて、仮に高血圧対策であったりした場合は、6g未満とされています。ところが実際は男性で11gほどで、女性でも10g近く摂取しています。

つまり、つねに塩分の摂り過ぎ状態にあるというわけです。

ラーメンの場合、醤油、味噌、塩などいろいろありますが、ほとんどが一食で10g前後も含まれているので、たった1杯で一日の許容量を楽々と超えてしまうわけです。健康によさそうな五目ラーメンなどの場合は、具からの塩分も加わるために塩分がたっぷりと入っていて、この観点からは健康的とは言い難くなります。

あえて比較するなら、じつはとんこつラーメンの塩分が比較的少ないそうです。では、とんこつラーメンを中心に食べるようにするかというのは少し早計で、やはり対策の第一はスープを極力飲まないことでしょう。ラーメンのスープはじつに手間暇をかけた傑作ですが、体のことを考えた場合はスープを減らすのが一番手っ取り早いと言えます。しかし、スープ以外の具(チャーシュー、野菜など)にも結構な塩分が含まれていますから、基本的には塩分の多い食べ物であることには変わりありません。

第二の対策は、ラーメンを習慣にしないことでしょう。

おいしいラーメンを堪能するのは喜びそのものかもしれませんから、そこを除外することはせず、ただし食べる頻度は抑えていくようにします。少しアルコールのケースと似ているかもしれませんね。何味のラーメンとするよりも、スープは控えめにして食べる頻度を落とすのが、より現実的で体にいいラーメンの食べ方だと思います。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。