第53代ミスター東京・松本美彦が戴冠。「コロナ禍は自分にはプラスになった」【ジャパンオープン】




「いつもは初戦でコケるんですよ(笑)。2019年も、最初は確か8、9位だったかな。1戦目でいろんなものが流れ落ちて2戦目から良くなっていくんですけどね」

そう話すのは、8/8(日)に東京・北とぴあで開催された第32回ジャパンオープン選手権大会のボディビル部門で優勝した松本美彦だ。2018年は“ミスター東京”(東京選手権チャンピオン)に輝いたものの、2019年は苦しいシーズンを送り、昨年はコロナ禍で大会が中止。久々の大会となり、「若手の人たちがみんな仕上がっているし、デカいし。やっと出させてもらえるという喜びはあったのですが、自信はまったくなくて。決勝に残れるかな?と思っていたぐらいです」と謙遜する。

そのような中でも、56名がエントリーした激戦を見事な仕上がりで制するのことができたのは、ベテランの経験値に加え、昨年に心身ともに休ませることができたからだと言う。

「コロナ禍になって、ある意味、自分にとってはプラスになったと思います。もう53歳のおじさんなので、期間が空いたことで内臓も回復して良かったなと。どんなことでもプラスに考えようと過ごしていました」

今シーズン初戦は見事に優勝と好スタートを切った松本。今後は、9月の日本クラス別(9/11開催予定)、日本マスターズ(9/19開催予定)を見据えている。

「日本クラス別では、合戸(孝二)さんや田代(誠)さんと並びたいですね。残された選手生命はそんなに長くないですが(笑)、この歳でも、尊敬してきた選手たちと並びたいという思いを持っています。あとはマスターズ。同窓会みたいで楽しいので、良い意味でモチベーションにもなりますからね」

文・写真/木村雄大