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ホットミルクを飲むとよく眠れるのはなぜ?【桑原弘樹の栄養LOVE】

サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第129回は、安眠に効果があると言われるホットミルクについて。

■ぬるま湯の半身浴と組み合わせればなお◎

ホットミルクには必須アミノ酸のトリプトファンが多く含まれています。トリプトファンは牛乳から発見されたアミノ酸で、セロトニンの材料となります。セロトニンは鎮静作用のある神経伝達物質で、ノルアドレナリンなどの覚醒系の調整役をしてくれ、微弱ではありますが誘眠作用もありますので、とくに睡眠時に向けてはトリプトファンは相性のいいアミノ酸なのです。

アメリカでの事故をきっかけに、長い期間にわたってFDAがトリプトファンを食品として禁止していたことが影響して、必須アミノ酸にトリプトファンを配合していないサプリメントが海外物を中心に散見されますが、トリプトファン自体にはなんら問題ありません(製造工程での不純物に問題がありました)。もちろん日本では食品として扱われています。

もうひとつホットミルクがおすすめなのは、温かいという点です。睡眠時には最低限の代謝モードになっていくため体温が少し下がります。つまり体温が下がる際に眠気がくるのです。その生理現象を利用して、寝る前に少しだけ体温を上げてやることで、その体温が元の体温に戻る際にスムーズな眠りにつながるというわけです。

ホットミルクとセットでぬるま湯の半身浴を就寝の少し前に行なうと、さらに効果があります。体の内側と外側から少しだけ体温を上げてやるのです。ぬるま湯の半身浴は副交感神経が優位になるのでリラックスモードに入りやすく、気持ちもゆったりとしてきます。逆に注意すべきは、就寝直前の熱いシャワーやお風呂です。体温が上がり過ぎて覚醒モードに入ってしまいますから、手頃な温度設定が大切です。

ミルクは消化もいいですし、カフェインなどの覚醒系の成分が含まれていないという点も睡眠には向いていると言えます。寝苦しい夜には羊の数を数えるのではなく、ホットミルクを飲んでぬるま湯の半身浴をしてみてはいかがでしょうか。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。