9/26(日)に大阪・メルパルクホール大阪で行なわれたJBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2021のビキニフィットネス部門で安井友梨が見事優勝を果たした。本大会は、9/5に行われた階級別の日本一決定戦「ALL JAPAN選手権」の上位入賞者のみが出場し、階級の壁を取っ払って頂点を争うビキニフィットネスの日本一決定戦であり、安井は前回大会(2019年)に続いて日本一の座に輝いて2連覇となった。
階級別では6連覇を果たすなど言わずと知れた“女王”である安井だが、「昨年はコロナ禍でトレーニング環境がガラっと変わり、試行錯誤しながら、今までのトレーニングを全て捨てる覚悟でゼロからやり直したんです」と語るように、目標である世界一に向けて、今シーズンは新たな挑戦を続けた1年だった。
「今年はウェイトリフティングをやってみたり、これまで取り組んできたステージをリセットし、ポージングを基礎からやり直すために(新競技の)フィットネスモデルにも出場しました。結果は勝つことができずにご心配をかけたりもしましたが、挑戦が無駄ではなかったと示すためにこの大会に向けて取り組んできたので、それが実を結んで本当に嬉しいですし、武井トレーナーをはじめ、応援してくださった方々に本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
大会前日には自身のブログで、「私はどこまでも勝ち方にこだわります、私の心はただ一つ、『2019年アジアチャンピオンになった“自分に圧倒的に勝つこと”』目標はただそれだけ」と投稿。その言葉が示すように、この日は、2年前と比較してもさらにバージョンアップした身体、ステージングで審査員や観客を魅了した。彼女の戴冠は、誰もが納得するものであっただろう。
もう一つ、明らかな変化があったのがビキニの色だ。
ここ数年は青や紫といった寒色系のカラーのビキニを着用することが多かったが、今年は赤をチョイス。単なる気分転換ではなく、そこにもしっかりと意味が込められていた。
「今年、もし国内で負けたら引退すると決めていたんです。だからこそ、大会デビューしたときに着用していた赤いビキニを着て勝負したいと思いました。最初の頃の気持ちを思い出し、30歳を超えて10カ月で日本チャンピオンになった時の気持ちをもう一度奮い立たせるためにこのビキニを着て臨みました」
見事に有言実行を果たし、再び日本一になった安井。これからも世界一を目指し、絶対的女王と言われるからこそ、誰も追い付けないスピードで進化を続けていくだろう。
「去年も今年も、大会に出場したかったけどコロナの影響で出場できなかった、思うようなトレーニングができなかった選手はたくさんいらっしゃると思います。私としては、そういう方々の思いも背負う気持ちでここまでやってきました。その想いが皆さんに届けばいいなと思います」
さまざまなものを背負いながら戦い続け、ゼロからのリスタートでさらなる進化を遂げた安井はいったいどこまで大きくなっていくのか。これからの彼女の躍進が、ますます楽しみだ。
文・写真/木村雄大