栄養価的な観点から見た野菜、果物ランキング【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第154回は前回の魚に続き、独断と偏見で選ぶ栄養価的な観点から見た野菜、果物ランキング

■色鮮やかなあの野菜と、トレーニー御用達の果物

魚ランキングと同様に、全部の野菜や果物の中から選ぶとなると、そこに何を求めているかによって変わってきますね。ビタミンやミネラルといった微量栄養素なのか、食物繊維なのか、抗酸化なのか、はたまたそれ以外の何か特別な機能なのか。いずれにしても野菜も果物も非常に奥深い側面があります。

今回も個人的な見解で、勝手ランキングをつけてみたいと思います。

まず野菜ですが、3位はブロッコリー。トータル的な栄養素が非常に整っていて、ボディビルダーが減量期に外せない野菜でもあります。食べ応えもあって、空腹を満たすという点も何気にポイントかと思います。

続いて2位は玉ネギ。食べ物の中で人を泣かせる力を持っているのは、何と言っても玉ネギだけでしょう(笑)あの刺激の正体は硫化アリルという成分ですが、ビタミンB1の吸収を上げてくれます。同類の野菜としては、ニラ、ニンニク、ネギなども含まれていますので、それらも合わせて第2位としたいと思います。風邪気味の時などは、この類の野菜をガッツリと食べて早寝をすると急回復すると信じています。

そして堂々の1位は、パプリカです。何と言ってもあの鮮やかな色。あれだけの色に意味がないわけがありません。実際、カロテノイドが豊富で、強烈な抗酸化の力を発揮してくれます。他にもビタミンACEもたっぷりと含まれているので、まさにザ・抗酸化といった野菜と言って過言ではないでしょう。見た目の色鮮やかさに加えて、味的に食べやすいのも魅力です。

そして番外編として加えたいのがトマトです。これはいたって個人的な理由でもありますが、トマトジュースがどんなジュースよりも好物だからです(笑)。もちろんリコピンなど栄養価もタップリです。

果物については、野菜以上においしさという要素が重視されるかもしれません。

栄養価をメインに考えた場合、まず3位にはプルーンを挙げておきます。ニュアンスとしては野菜でのブロッコリーに似ているのですが、とにかくさまざまな栄養価を豊富に含みます。とくにカリウムをはじめとするミネラル類が非常の豊富なフルーツです。また食物繊維も豊富なのですが、特徴的なのは水溶性と不溶性のどちらもが含まれるという点です。これもボディビルダーにとってはなじみのあるフルーツと言えるでしょう。

果物部門2位は、アロニア。あまり聞きなれない果物かもしれません。ブルーベリーの仲間なので、なじみのある名前であればブルーベリーでもよかったのですが、ブルーベリーよりもアントシアニンなどの栄養価が図抜けて多く含まれています。スーパーフードとして話題になったこともありました。カロテノイドが豊富でとにかく抗酸化機能が強いので、野菜で言うパプリカに近い果物といえるかもしれません。

そして堂々の1位は、バナナ。バナナはカリウムなどのミネラルや食物繊維も含まれている果物ですが、ブドウ糖、果糖、ショ糖、デキストリンという具合にとにかく糖組成に優れています。消化もよく、食べやすく、持ち運びもしやすく、通年手に入りやすく、値段の優等生でもあります。トータル力としてバナナを第1としました。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。