知ればパフォーマンスアップ間違いなし! 「鴻江理論」を紹介〔後編〕




アスリートコンサルタントの鴻江寿治さんは、プロ野球の菅野智之選手、千賀滉大選手、岡本和真選手、ソフトボールの上野由岐子選手ら、数多くのトップアスリートのコンサートとして活躍している。その鴻江さんは人の体が猫背型の”うで体”と反り腰型の”あし体”に分類されるという、鴻江理論を確立。運動時のケガ予防、パフォーマンスアップはもちろん、日常生活にも良い効果を生むであろう、この理論を紹介していきます。後編となる今回はオススメの自重トレーニングです。

人間の体は猫背型の“うで体”と反り腰型の“あし体”に分類されることを説明してきました。〔中編〕の判別方法で自分がどちらのタイプかわかったら、それぞれのスポーツで自分のタイプに合った体の使い方を覚えていきましょう。

 

競技の専門的な話は別として、それぞれの体の使い方を簡単に説明しておくと、腕でタイミングをとるのが“うで体”で、足でタイミングをとるのが“あし体”です。また、“うで体”は左右の体重移動で沈み込む動き、腹筋を使って体の前側の懐で力を使うことを得意とします。一方、“あし体”は前後の体重移動で反力を使う動き、背中側に軸を持って背筋で押して推して力を使うことを得意とします。

 

それでは自重でトレーニングをするなら、どんなメニューがいいのかを紹介しましょう。“うで体”は、つま先重心であるため、体の前面を使い引くことで力を発揮するタイプです。腹筋を鍛えるのが効果的で、腕を使いながらできるV字腹筋がオススメ。

手足を伸ばした状態で仰向けとなり、そこから身体をVの字に曲げながら起こしていき、手でつま先をタッチします。腕から始動して上体を起こすとバランスのいいV字腹筋となります。その他の腹筋メニューでいえば、クロスクランチも良いでしょう。対角線のヒジとヒザをつけるようにするため、腕を使って動けるからです。

続いて上半身。よく使う体の前面(大殿筋)を鍛えるためにワイドの腕立て伏せで大胸筋を鍛えましょう。

 

通常の腕立て伏せよりも腕を大きく開いて行ないます。下ろすときはゆっくり、上げるときは素早く上げるのがポイントです。

 

“うで体”の人は下半身のメニューはあまり得意でないかもしれませんが、スクワットなら腕を振りながらのジャンピングスクワット。あるいは上半身でリズムをとりながらのサイドジャンプなどがオススメです。

 

続いては“あし体”のオススメトレーニングです。“あし体”はカカト重心なので、体の後面を使って押すことを得意とします。最初のオススメはバックプランクです。

カカトからお尻までを真っすぐにして、お尻を上げていきます。この際、肩と床が垂直になるようにキープします。大殿筋、脊柱起立筋、広背筋、腓腹筋に力を入れて行なうとおこなうと、体の後面をバッチリ鍛えられます。他にもヒップリフトなど、後面を鍛えられる種目を取り入れていきましょう。

 

“うで体”はワイドの腕立て伏せがオススメでしたが、“あし体”はナローがオススメです。

 

押す力を強化したいので、腕を通常よりも狭くして腕立て伏せを行ない、上腕三頭筋を鍛えます。ヒジを後ろに引くようにして曲げていき、床のギリギリまで下ろします。

 

また、“あし体”は足から動きたいので、ジャンプ系の種目もオススメです。足首だけで行なうアンクルジャンプ、あるいは地面からの反力を使って行なう、ハイパージャンプなどをやってみてください。

 

というわけで、3回にわたって駆け足で「鴻江理論」を紹介してきました。さらに詳しく知りたい方は発売中の下記の書籍もぜひ参考にしてみてください。

 

おわり

 

文/佐久間一彦

 

『野球タイプ別 鴻江理論 引いて使ううで体、押して使うあし体』