正月の定番・餅のよさを教えて【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第166回は、正月の定番・餅について。

■年間を通じて筋肉づくりに活用したいと思える食材

餅の前にまず、米について少し説明をするとわかりやすいと思います。お米はアミロースというデンプンと、アミロペクチンというデンプンで構成されています。ここで言うお米とはうるち米のことで、私たちが日常的に食べている白米を指します。アミロースとはブドウ糖が一列につながっているような状態で、一方のアミロペクチンはブドウ糖がたくさんの枝葉をつくりながら、蜘蛛の巣のような感じで広がっている状態です。

そしてもち米はアミロペクチン100で、一般的なうるち米はアミロペクチンが80%程度で残りがアミロースです。もち米独特の粘り気は、まさにアミロペクチンの特徴なのです。うるち米でもコシヒカリのようにしっとりとした粘り気が強い種類は比較的アミロペクチンの比率が高めで、パサパサ感が強いタイ米などはアミロペクチンの比率が低めであるからです。

このデンプンを分解する酵素はデンプンの末端にしか反応しないため、一列につながったアミロースは両末端しか反応する個所がないためにその分解に少し時間がかかり、逆に枝葉をたくさん持つ末端の多いアミロペクチンは消化されるのが早くなります。ここで、もち米の特徴が明確になってきます。つまり、アミロペクチンで構成されているため、デンプンを分解する酵素が反応しやすくそれだけ消化が早くなるのです。コンテスト直前のカーボアップやグリコーゲンローディングなどにも餅が好まれるのも、これが原因のひとつだと言えます。

また、うるち米同様にグルテンフリーな食材でもあります。食べ過ぎには要注意ではありますが、食欲をそそりたくさん食べられるというのも食材としては大きなメリットと言えるのではないでしょうか。お正月の定番ではありますが、年間を通じて上手に筋肉づくりに活用してもいいと思える食材です。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。