【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第32回】新成人の皆さん、おめでとうございます!




VITUP!読者の皆さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

と、新年の挨拶をしたものの、年が明けてすでに10日が経っています。そして本日は成人の日ということで、新成人の皆さん、おめでとうございます。今回は自分の成人式の思い出を書いていきたいと思います。

 

成人式の思い出といえば………合宿です。柔道の全日本合宿と重なっていて、実は成人式には出席していません。成人式のために親が晴れ着を買ってくれたのですが、当日に自分が着ていたの晴れ着ではなく道着でした…。

 

せっかくの成人式、しかもレンタルではなく、着物を買ってもらっているので、写真撮影はしました。しかし、こちらも残念なエピソードがあります。撮影日が試合の次の日というスケジュールでした。もうこの時点で嫌な予感しかありません。前日に7試合くらい闘って、顔はあざだらけで唇も切れてしまいました。これだけならお化粧で隠すことができるのでいいのですが、最後の試合でヒザをケガしてしまって松葉杖だったんです(笑)。

 

顔はボコボコで松葉杖。両親にも撮影してくれたカメラマンさんにも本当に申し訳なく、「なんかすみません」という感じでした。ちなみに大学の卒業式のときも普通は袴を着てみんなで写真を撮ったりしますが、東日本大震災があった年で卒業式がなくなってしまいました。自分は着物や袴姿には縁がないようです。

 

成人式の思い出は何もないので、二十歳のときはどんな理想を描いていたのか思い出してみたいと思います。小さい頃は大学まで柔道をやるとは思っておらず、20代前半で結婚したいと思っていました。早く子どもを産んで若いお母さんになりたかったんです。

 

中学時代は練習がきつくて柔道も嫌いだったので、柔道は中学までで辞めて高校からは普通の学校に行って、痩せてオシャレして女子っぽくなりたいと思っていました(笑)。そうした背景もあってみんなが真面目に書いている卒業文集に「小倉優子になりたい」と書いてしまったのです。

 

当時は自分の体がゴツイことにすごくコンプレックスがありました。肩幅が広くて胸板は厚くて、周りの男子よりもゴツかったので、細くなりたいと思っていました。高校を卒業して何年か経って、同窓会で友達と再会したときに、自分が痩せて女子っぽくなっていて驚かれるというのをやりたいと思ったんです(笑)。「えっ!? 本当に渡辺? 気づかなかった」みたいな(笑)。

 

いろいろな妄想をしていましたが、実際の二十歳のときは柔道漬けの毎日で、日々必死でした。きついこともあったけど、今はすごく良かったと思っていますし、それが一番楽しかったなと思っています。目標を持ってそれに向かって頑張ることが一番楽しいと心から思うので、新成人の皆さんにはやりたいことを見つけて、何か目標を持ってほしいなと思います。

 

二十歳のときはオリンピックを目指して、目標に向かって突き進んでいました。それは実はすごく楽しいことですし、そうやって突き進んでいた日々というのは自分にとって財産となっています。何も目標もなく、ただ楽しさだけを求めていたら、中身のない人生になってしまうかもしれません。もちろん、今しかできないことをやるという意味で遊ぶことも大事でしょう。ただ、その中でも何かしら軸を持っていたら、その先の人生にはもっと楽しいことがたくさん生まれてくるんじゃないかなと思います。

 

 

というわけで、自分から新成人の皆さんに送る漢字一文字は「軸」です。自分の中に軸を持って頑張っていると、いろいろな可能性が広がっていくはずです。

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW