サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第180回は、米以外にもさまざまな種類がある糖質の中で、取り入れたほうがいいものは何か?という疑問について。
■何の糖質をどのタイミングで摂るかが重要
白米以外にということであれば、まずは迷わず玄米と言いたいところですが、玄米も含めてお米という解釈ならば、最近のブームでもありますオートミールなどは良質な糖質だと言えます。私は昔、チョコレート味のプロテインを振りかけて豆乳を注いで電子レンジで温めるなどの食べ方をしていましたが、他にも食べ方の工夫でバリエーションもつくれますので、朝食などに取り入れてもいいかもしれません。
他には以前にご紹介したこともある「ソルガムきび」も、玄米のいいところをそのまま受け継いだようなイメージのお米以外の糖質です。微量栄養素や食物繊維が豊富で、グルテンフリーという点が魅力ですね。
どの糖質がいい悪いという考えもさることながら、どのタイミングならどういった糖質かという発想はより重要です。たとえばトレーニング直前の単糖類(ブドウ糖)は、インスリンの影響とトレーニング開始後のGLUT4という糖の輸送体の影響をダブルで受けてしまうので、トレ開始後に低血糖の不安が出てきます。ランナーなどが直前にエネルギー補給感覚で甘いものを摂取して、走り始めてしばらくすると気だるさを感じる時などは、このケースが考えられます。つまりブドウ糖や砂糖はトレ直前にはNGということになりますが、逆にトレ直後には効果的と言えます。素早いグリコーゲンリカバリーには素早い吸収が効果的だからで、そこに玄米を持ってきても効果は薄くなってしまいます。
GI値は糖質摂取後の血糖値の上昇を指数化したものですが、シーンに応じてGI値の高い低いを意識するのは糖質の効果的な活用につながると思います。立ち食いうどんを利用する際、移動の途中で空腹が我慢できずに食べるのであれば山菜そばで、トレーニング直後にとりあえず食べておくのであれば月見うどんという具合です。
桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。