太りにくいお酒はある?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第183回は、太りにくいお酒は何か?という疑問について。

■お酒自体よりもおつまみのカロリーが大きい

お酒は大きく醸造酒と蒸留酒に分けられます。発音するとどちらも似ていてわかりにくいですよね。

醸造酒は穀物や果物などを発酵させて作る、いわゆるお酒です。ビール、日本酒、ワインなどどれも醸造酒です。醸造酒の状態のものをさらに加熱して濃縮させていったものが蒸留酒ということになり、こちらはウイスキーや焼酎が代表的です。濃度としては蒸留させて濃縮しているので、蒸留酒のほうがアルコール度数は高くなりますが、糖質が含まれずカロリー的には蒸留酒のほうが低くなります

また複数のアルコールが含まれず単一のアルコールとなるため、蒸留酒のほうが早く解毒されて二日酔いになりにくいとも言われています。とは言うものの飲み過ぎれば二日酔いになりますし、度数が高いぶん酔っ払いやすいのは蒸留酒かもしれません。レモンをかじりながらテキーラのショットを飲んで、突然倒れるようなシーンを映画やマンガで見かけるかもしれませんが、あれはまさに高度数の蒸留酒のなせる業ですね。

一方、醸造酒はアルコール度数が低いぶん、量を飲んでしまうという傾向にあります。ビールのような勢いでウイスキーは飲まないでしょうし、どうしてもボリュームをとってしまうのが醸造酒です。ただしお酒のカロリーはエンプティカロリーなどとも言われ、その大半が熱として使われてしまうので、じつはお酒自体で太るというよりも一緒に食べるおつまみのカロリーが圧倒的に影響していると言えます。食事が終わってから飲む場合でも、お酒だけではなく何かしらおつまみを一緒になどというケースも、まさにそのパターンです。

また缶酎ハイやジュースっぽい味つけのお酒の場合は、アルコール以外の甘味料や糖質が多く含まれていますので、そのぶん太る要因にはなっていきます。ビールでも糖質ゼロなどを選べば太りにくいのですが、一緒におつまみを食べ続ければ当然太る飲み物へと変身してしまいますから、要注意です。ランキングをつけるとすれば、ウイスキーの水割りをつまみなしで飲むのが1で、甘い缶酎ハイを何か食べながら飲むのが最下位といった感じでしょうか。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。