野菜が苦手です。果物で代用はできる?【桑原弘樹の栄養LOVE】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養や肉体に関する疑問を解決する連載。第184回は、果物を食べていれば野菜を食べなくてもOKなのか?という疑問について。

■成分が異なるため完全な代用は難しい

そもそも果物と野菜は明確に区別をする定義がなされていないので、たとえばアボカドなどは野菜のようですが一応果物として分類されていますし、トマトあたりは「果菜」ということでまさに中間的なイメージですね。野菜が苦手な人は果物で代用できたらと思うでしょうが、残念ながら一般的に野菜とされているものと果物とされているものはその成分が異なりますので、完全な代用は難しいでしょう。

水分が豊富で、微量栄養素の中でもビタミンCあたりはどちらにも多く含まれるので、栄養素的に非常に近い印象を持つかもしれません。しかし、果物は圧倒的に糖分(果糖・ブドウ糖)を多く含みますので就寝前などにはおすすめできない一方で、エネルギー補給などに重宝したりもします。バナナなどは、アスリートには欠かせない補給食と言えるのではないでしょうか。

食物繊維に関しては、その種類は異なるもののどちらにも含まれるケースがありますが、ミネラル類に関してはバナナやプルーンのように豊富な果物もありますが、全般的には野菜に軍配が上がります。またビタミンについてもC以外は果物には含まれないケースが多いので、野菜の勝ちとなります。ざっくりと比較するならば、微量栄養素的には野菜で、エネルギー補給的な要素を考えると果物となります。野菜に何を求めるかですが、仮にビタミンやミネラルといった微量栄養素であるならば、野菜ジュースを活用したり、場合によってはサプリメントでもいいのではないかと思います。

余談になりますが、私ももともとはあまり野菜が得意ではありませんでした。ただ、よくコンビニなどでも売っているスティックサラダだけは別で、むしろ探してでも買うくらい好物です。野菜もちょっと苦手くらいの感じのようでしたら、一度チャレンジしてみてください。野菜好きになるかもしれませんよ。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。