腸腰筋(ちょうようきん)




 

深部に位置する複合筋で腸骨筋、大腰筋、小腰筋の総称。

主な働きは股関節の屈曲で、太ももを上げたり足を前に振りだす際に働く。

股関節の屈曲筋の中でも最も強力なのが大腰筋で、腸骨筋とともに姿勢や歩行の維持に重要な役割をはたす。

上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉で、スポーツ、姿勢、体形維持など、さまざまな要素に影響を及ぼす。

陸上短距離選手の大腰筋は健常者やサッカー選手よりも発達しており、高齢者では萎縮しやすいとされている。

また歩行速度との相関関係を比較したところ、大腰筋は大腿部の筋より強い相関関係を有しているとしており、筋断面積が大きい人ほど100m走のタイムがよかったという研究結果もある。

<起始>

・小腰筋…第12胸椎、第1腰椎の椎体外側面

・大腰筋…浅頭:第12胸椎~第5腰椎の横突起

・腸骨筋…腸骨窩、下前腸骨棘

<停止>

・小腰筋…腸恥隆起と付近の筋膜

・大腰筋…大腿骨の小転子

・腸骨筋…大腿骨の小転子

<支配神経>

小腰筋…腰神経叢の枝(L1)

大腰筋…腰神経叢の前枝(L1~L4)

腸骨筋…大腿神経、腰神経叢の枝(L2~L4)

<主な働き>

・小腰筋…股関節の屈曲

・大腰筋…股関節の屈曲、外旋、脊柱の安定

・腸骨筋…股関節の屈曲、外旋

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