熱中症にならないための水分と塩分の摂り方




「走るフードコーディネーター」川﨑泰代さんに体づくり、健康づくりのための食事と栄養について教わる連載。水分と塩分の摂り方について、川﨑先生と全力さんの対談をお届けします。

※本記事は、2018年に公開した記事を再編集して紹介するものとなります

全力 試合中に飲むスポーツドリンクの区分けも知りたいんですけど、前半後半でアイソトニックとハイポトニックで分けた方が良いのですか?

川﨑 アイソトニック飲料は〝等張液〟と言って、人が安静時の水分、塩分、糖分と同じ濃度の飲み物なんです。安静にしているときの吸収率は速いのですが、運動などによって発汗し、塩分が多く排出されているときは、身体の体液の浸透圧が低くなるため、水分補給としてはスピードが遅くなります。のどが渇いたなと思ってから飲んでも、なかなか吸収されていかない。だから、アイソトニックは運動前にエネルギー補給として摂るといいですね。アクエリアスとかポカリスエットはこのアイソトニック飲料に含まれます。

全力 じゃあ、アイソトニックは前半に適しているということですか?

川﨑 前半というより、試合が始まる前などに飲むといいと思います。逆にハイポトニックのほうは、〝低張液〟と言って、ナトリウムとか糖質の濃度が低いので、人間の安静時の体液よりも低い浸透圧で入っていきます。ハイポトニックのメリットは、運動による発汗で体液が薄くなっている状態で水分補給として体内に入りやすい水分が早く吸収されるので、水分補給に適していて、熱中症になりにくいです。

全力 どういうのがあるんですか?

川﨑 見分けとしては、ラベル表示に糖質が2.5%以上のものはアイソトニック飲料に分類されます。それ以下のものを、ハイポトニック飲料と考えていいですね。だから、ハイポトニック飲料には「○○ウォーター」って付くのが多いと思いますよ。アイソトニック飲料は薄めてハイポトニック飲料にすることもできます。

全力 お茶はどうなんですか?

川﨑 水と同じで、浸透圧は低い(遅い)。だから、運動時にお水やお茶を飲んで走ると横っ腹が痛くなることがありますよね。

全力 先週、お茶とかスポーツドリンクを多めに摂ってたんですけど、後半の途中から熱中症になっちゃって。

川﨑 今年は例年に比べても暑いので熱中症になりやすいです。私はレモンを輪切りに切って、はちみつをかけて、タッパーに入れて冷蔵庫に常備しています。レモンとはちみつで疲労回復と、熱中症の予防にもなります。

真面目にメモを取り続ける全力さんのミルクティーかき氷はもはやミルクティーに

全力 塩タブレットを食べるときの摂取量とタイミングも知りたいです。

川﨑 塩のタブレットは、1日6粒までとか摂取量が書いてあると思います。

全力 熱中症になったときに、いっぱい摂っちゃいました。

川﨑 摂りすぎは良くないですね。ちなみに塩分摂取は一日に男性は8g、女性は7gが適切な塩分量と言われています。汗を多くかく夏や、運動する人は塩分も体の外へ排出されてしまうので、適度に補うことが大切です。

全力 タイミングは?

川﨑 運動前や運動中、または運動後に汗をかいたなと思ったら摂るといいですね。全力さんの明日の予定は?

全力 3時半に起きて、アウェイの試合で山形まで車で行きます。起きたらおにぎり1個食べて、車の中でパンを食べて。時間があれば果物狩りをしつつ、弁当を食べつつ。15時くらいに着いて。18時にキックオフなので、20時に試合終わって、そのあといつもはメロンパンを食べるんですけど、明日からはカステラかどら焼きにしようと思います。帰りはどこかのパーキングでご飯という感じの予定でいます。

川﨑 わぁ!朝が早いのですね。睡眠をしっかりとって熱中症に気をつけてください。

全力 今日はありがとうございました。


川﨑泰代(かわさき・やすよ)
フードコーディネーター。アスリートフードマイスター。食育インストラクター。IHクッキングクリエーター。小学生のころよりバレーボールを始め、以来スポーツが生活に欠かせないものとなる。「走るフードコーディネーター」として、自らもフルマラソンに挑戦するなどアスリートとしての顔も持つ。
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