「筋肉アイドル」として地位を築いてきた才木玲佳さんが、2022年3月をもって「筋肉を卒業」した。タレント活動の傍ら、プロレスやボディコンテストなどにも精力的に挑戦し、まさに筋肉とともに芸能界での道を歩んできた。そんな彼女が筋肉卒業を決意した背景にはどんな思いがあったのだろうか。そして、今だからこそ伝えたい筋肉へのメッセージとは――。ここでは、才木さんの筋肉への思いが詰まったインタビューを4回に分けてお届けする。最終回は、筋肉卒業後に見据える未来について。
筋肉以外の仕事でもスタンスは同じ。好奇心旺盛かつ全力で臨む
――今まで筋肉に注がれていたエネルギーは、今後、どこに使われるのでしょうか。
「私はクイズ番組にも時々出演させていただいていることもあり、もっとクイズの勉強をしていきたいですし、実は子どもの頃は小学校の先生になるのが夢だったので、勉強に関わるお仕事もできたらうれしいです。あとは、俳優業。映画を見たりワークショップに参加したり、ゼロからですがどんどん学んでいきたいです。そういえば、ファイナンシャルプランナーの勉強をしながらお金のことを学んでいますし、執筆業にも興味があります。競輪番組の曜日MCを担当させてもらったりもしていますし……こうやって挙げてみるとたくさんありますね(笑)」
――筋肉を卒業しても、やりたいことがあふれているようで何よりです(笑)。
「やっぱり、いただいたお仕事には全力で向き合いたいので。才木さんに頼んで良かった、才木さんだからこういうことをやってくれたんだと思ってもらいたいです。以前、筋肉関係のお仕事に呼んでくださった方から、別の番組の企画に声をかけていただいたことがありました。筋肉だけではない部分を見てくださる方がいるのを実感しましたし、こういうご縁は大切にしていきたいと思います」
――筋肉をつける過程はすごく大変だと思います。そういった努力を見てくれる人が多いのではないでしょうか。
「そうだったらすごくうれしいです。世の中的にも、やっぱり筋肉って分かりやすいですし、どうしてもそこがピックアップされがちです。でも、その裏にある大変さや努力の部分を見てくれる方がいたら、これまでトレーニングを続けてきて良かった、幸せだなと思います。普通にアイドルをやっているだけでは気づいてもらえなかった自分を、鍛えていたことによって、いろいろな人に知ってもらえたということですからね」
筋肉と歩んできた芸能活動。そして未来へ
――ここまでも存分に筋肉について伺ってきましたが、あらためて、筋肉と歩んだ芸能活動を振り返って、今のお気持ちを。
「筋肉がなかったら、私はもうこの世界にいなかったと思います。芸能界に入ったのが22歳で、25歳までに芽が出なかったらやめようと思っていたんです。だけど筋肉という方向性がうまく見つかったことで、いろいろな経験をさせてもらえるようになりました。今の私があるのは筋肉のおかげ、それは間違いありません」
――筋肉と出合えてよかったと。
「本当によかったと思います。お仕事はもちろん、健康の面でも私を支えてくれました。やっぱり生きていくためには健康が一番じゃないですか。心身の健康を維持するためにも、筋トレをみなさんにおすすめしたい気持ちは変わりません。私はお仕事に関して筋肉のイメージがつきすぎたのでやめるというだけで、健康のためのトレーニングや食事は続けていくつもりです」
――筋トレに引退はないですからね。
「そうです!筋トレに関する知識もかなりついたので、やろうと思えばいつでも戻れますから。またやりたくなったら『筋肉復帰します』と発表するかもしれないです(笑)」
――良い意味でやりたいことがつねに変わる才木さんですから、本当にありそうです(笑)。VITUP!としては筋肉アイドル・才木玲佳ではなくなるのは少し寂しいですが、新たな場所で活躍する姿を見れるのも、楽しみです。
「ありがとうございます。筋肉があったから今の自分がいます。これからは新しい自分で未来にチャレンジしていくので、期待していてください。もし筋肉復帰することがあれば、すぐご連絡しますね(笑)」
取材・文/森本雄大
写真/木村雄大
撮影協力/カフェ・BOND(ボンド)
東京都千代田区飯田橋4-7-4 飯田橋グランプラス 1F
才木玲佳(さいき・れいか)
2014年、慶応大学在学中にWRESTLE-1オフィシャルサポーター・Cheer♡1に加入。翌年に1期生としてプロレス総合学院へ入学すると、半年後には無事卒業し、プレレスデビューを飾る。ムキムキなのにかわいい「筋肉アイドル」としての地位を確立しつつ、2020年にはボディコンテストにも挑戦。女子フィジーク部門でマッスルゲート東京大会優勝、ゴールドジムジャパンカップ2020準優勝の成績を残した。2022年3月に筋肉卒業を発表し、新たな舞台での活躍が期待される。