生まれ持った人体の“設定”を基にベストパフォーマンスを引き出す【三土手大介が伝授する4スタンス理論×トレーニングvol.1】




不随意の動作の中にその特徴は現れる

――実際に自分がどのタイプか、気になりますね。

三土手 例えばですが、銭湯で腰に手を当てて牛乳をガーっと飲む人がいますよね。これは実は、Bタイプ。股関節を安定させたくて自然に腰に手を当てています。少しカッコつけた感じで手首を使って飲む人はAタイプですね。あとは、ペットボトルを持つときに、Aタイプは指先で、Bタイプは手のひらを使って持ちたがります。でも、これって意識してやってしまうと、なかなかわからないんです。Aタイプの人でも手のひらでペットボトルを持てないわけではないですから。あくまで無意識の動作の中で出てくるものです。

――そこは、4スタンス理論を学んだトレーナーの方にチェックしてもらうしかないと。

三土手 簡単なセルフチェック法はありますが、そうしてもらうのが間違いありません。日常生活でも実はあらゆるところに4スタンスの特性というのは出ているので、ジムの受付に来てから問診票を書いている姿勢だったり、カウンセリングで話したりしているところを見ればだいたいタイプはわかります。例えばBタイプの人は話していてリラックスしてくると、だんだん後ろにもたれかかってくる。逆にAタイプの人は縮こまってくる。実際に体を触ってチェックはしますが、その前にだいたいタイプチェックが完了していることは多いですね。

――自然な動きを見ていると、タイプはわかるということなんですね。

三土手 それこそ、犬や猫も4つに分類できますから。歩き方を上から見ていると、クロスタイプの犬はうねるように歩いています。4スタンス理論を学んだトレーナーで牛や馬を育てている方がいるのですが、牛や馬にもやはり4スタンスがあると言っていましたよ(笑)。生き物であるがゆえ、何らかの設定みたいなのがそれぞれあるんだと思います。ただ、その要因として遺伝するものなのか、それは私もわかりません。親と子でタイプが違うということも多々ありますので。あとは、性格の部分に出ることも。

――体だけではなく性格にも、ですか。

三土手 結局、体を動かすのも脳がコントロールしていることなので。体の動きからのフィードバックで脳が発達していくとも言えます。そう考えると、タイプによる体の使い方の違いは、脳の中の思考のパターンやリズムの違いとなって現れます。あるジムのオーナーと所属するトレーニーのタイプを調べたら、みんな同じタイプだったということもありました。性格も4つに分けられると言い切ることはできませんが、少なからず影響は現れるのかなという気はしますね。

★vol.2へ続く

取材・文/木村雄大 写真/中野皓太

三土手大介(みどて・だいすけ)
1972年8月26日生まれ、神奈川県横浜市出身。ウエイトトレーニングジムNo Limits代表。レッシュマスター級トレーナー。一般社団法人レッシュプロジェクト理事。
高校3年生のときにパワーリフティング競技をはじめ、20歳のときに全日本選手権110キロ級で史上最年少優勝。次々に日本記録を塗り替え、世界大会にも積極的に参戦。2000年の世界選手では、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトでトータル1トンを記録し、ベンチプレスは当時の世界記録を塗り替えた。現在はトレーニングジムNo Limitsの代表として、トレーニングの指導にあたっている。自己ベストは、スクワット435キロ、ベンチプレス360キロ、デッドリフト320キロ、トータル1060キロ。4スタンスタイプはA2。
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