「落ちたとわかっていても電話せずにはいられませんでした」
——同級生の渋谷選手、近藤選手はすでにプロデビューをはたしていました。
「その時は確認をしたくてパンクラスに電話をしました。『雑誌を見たら第5回入門テストが終わっているんですけど、僕は不合格だったんですか』って。そうしたら『そうですね。また次回がんばってください』という返事でした。落ちたのはわかっていたんですけど、電話せずにはいられませんでしたね」
――専門学校の卒業間際ですし、時間だけが過ぎていくわけですからね。
「実績を書いても書類審査で落とされますし、どうしたらいいかわからなかったです。そんな時に高橋義生さんの関節技講座というのがあって、『これだ』と思ってすぐに申し込みました。高橋さんが指示した技を新人の(KEI)山宮さんが実践していて、『プロの技ってすごいな』と思いながら練習したのを覚えています」
——もちろん本当の目的は練習ではないですよね?
「はい。講座が終わってすぐに高橋さんのところに行って『2回書類を送っているんですけど、2回とも書類審査で落ちてしまいました。パンクラスに入りたいんですけど、どうすればいいですか』って直談判しました。そうしたら高橋さんが『じゃあお前、今度受けに来いよ』と言ってくださって。すぐにスタッフの人に『次の入門テストはいつだ?』って確認してくれて、そこで書類選考をパスする権利を得ることができたんです」
■次回(5月8日アップ)は、1996年の第6回入門テスト以降を深堀りします。
取材・文・写真/松浦俊秀
写真提供/ミノワマン
ミノワマン(みのわまん)
本名:美濃輪育久。1976年1月12日、岐阜県出身。175㎝。92㎏。フリー。戦績/117戦63勝(43S、11KO)45敗9分。パンクラス 第5回ネオブラッド・トーナメント優勝、初代BSFミドル級王者、DREAMスーパーハルクトーナメント 〜世界超人選手権〜優勝。公式twitter。YouTubeチャンネル「ミノワマン ワールド / Minowaman World」