「コスプレはより長い時間、鍛えた体を見てもらえます」【筋肉隆々なコスプレイヤー・MASA#1】




筋肉を活かしたコスプレを行ないながら、パーソナルトレーナーとしても活動しているMASAさん。元陸上自衛官という経歴を持つMASAさんは、いったいどのような歩みで現在に至り、ハイレベルなコスプレを披露するようになったのだろうか。インタビュー第1回では、コスプレイヤーとしての活動の原点について伺った。

筋肉があればいいわけではない。クオリティの高いコスプレを目指す

――最初にコスプレしたのはいつですか。

「2017年の8月頃ですね。最初は勝手がわからず、ウィッグもかぶらずに自毛を染めてキャラになりきっていましたね(笑)」

現在にいたるまで、さまざまなキャラクターのコスプレを行なってきたMASAさん。写真は、「東京リベンジャーズ」より場地圭介のコスプレ(撮影:@VALKEN_ZERO)。

――コスプレはやはり、キャラクターへの思いからですか。

「きっかけはそうでしたね。ただ、体を鍛えてボディコンテストに挑戦した時に、『もっと長い時間鍛えた体を見てもらえたらな』と思ったことも大きかったです。コスプレであれば、長い時は数日間、体を見てもらえる点は魅力だなと思いました」

――鍛えた体はなるべく見てもらいたいですよね。

「はい。言ってしまえば、承認欲求を満たしたいんだと思います。筋トレが好きな人の中にも、承認欲求が原動力になっている人は多いのかなと。筋トレは結果が出るまでの過程が過酷ですから、続けるには強い動機が必要ですよね」

――最初にやったのは何のキャラクターでしたか。

「『Fate/stay night』という作品のアーチャーというキャラクターでした。最初の頃は服を着た普通のコスプレを中心にやっていました。そこから、だんだん体も仕上がっていったので、脱ぐようになりました。ただ、自分の中では筋肉があればいいというわけではなくて、キャラクターとしてクオリティの高いコスプレを目指しています。そのためにキャラを研究して、細かいところまでこだわるようにしています」

――筋肉だけでなく、さらにレベルが上のコスプレイヤーになるためには、研究が必要になるのですね。

「はい。上に行くにはもう一段階努力が必要かと。そこは極めて、他のレイヤーさんと差別化できればいいなと思っています。コスプレイヤーとしてのプライドというか、こだわりですね(笑)」

――今までにやってきたキャラを教えてください。

「『ONE PIECE』のロロノア・ゾロやトラファルガー・ロー。最近は『呪術廻戦』のキャラにはまっていて、同作の男性キャラはほぼ全キャラやりましたね。他にも『鬼滅の刃』の不死川実弥、宇随天元など、全部で30キャラくらいはやってきたと思います」

アニメ「鬼滅の刃」の不死川実弥のコスプレ(撮影:@VALKEN_ZERO)。

――コスプレの魅力として、コンテストと違い勝ち負けがないというのもあるのではないでしょうか。

「はい。それもいい点だなと思っています。僕はコンテストよりもコスプレの方が楽しかったですし、もともとアニメやゲームが好きだったことも大きかったです。あとは、大人になってからは友だちがなかなか増えないですけど、共通の趣味があると交友の輪も広がっていくと思います。コスプレに関しては人とのつながりも持ちやすいので、友だちが増えました」

コスプレイベントの会場には、メイク道具もしっかり持参

――趣味でつながった人間関係は貴重ですね。

「友人も増えましたし、何より彼女ができました(笑)。今はお互いにコスプレをしてイベントに出演したりもしています。今後のコスプレの目標として、彼女とコスプレの写真集を出したいと思っています。そのためにも筋トレをがんばって体を仕上げて、メイクなどの技術も高めていきたいです」

彼女であり、コスプレの相方でもある「ルナ」さん

(第2回に続く)

取材・文/森本雄大
写真提供/MASA


MASA
筋肉隆々なコスプレイヤー。アニメやゲームのキャラクターを中心に、高いクオリティのコスプレを披露している。元陸上自衛官という経歴を持っており、現在はフリーのパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師として活動中。
★MASAさんTwitterアカウント→@masachanneldesu