エビがボクシング、イカがプロレス!? 意味が分からなすぎるが、なぜか癖になる格闘技映画をご紹介【気まぐれVITUP!】




VITUP!読者のみなさん、こんにちは。

編集部員の中野です。

新型コロナウイルスが流行り始めた2020年。外出自粛が一般化し、一気にリモート飲み会や手芸、料理など家でできる趣味に興じる方が増えたと思います。私も2020年から本格的に映画を見始め、昔は映画嫌いだったことが信じられないくらい、いまでは年に150本以上のペースで映画を見るようになりました。

当初は配信サービスを中心に、名作と呼ばれる作品を片っ端から観るなど、映画鑑賞を楽しんでいたのですが、「もっと変な作品を観たい」という謎の意欲が湧き、現在は週2のペースで渋谷のTSUTAYAに赴き、レアな作品やB級作品を漁るルーティンもできました。

見る作品の数が多くなればなるほど、良い作品に出会う機会が増える一方で、当然「なんだこれは……」と阿鼻叫喚するくらいの変な作品に巡り会うこともしばしば。

そんな映画鑑賞をはじめてから延べ300本ほどの作品を観てきた私が、思わず「なんだこれ……」と驚愕した「格闘技」ジャンルの映画を2作品紹介します。


1.「えびっぽい」生物が「ボクシングっぽい」イベントで稼ぎまくる!『えびボクサー』


物語は元ボクサーで、バーの店長を務めるビルが友人にハミッドから「マンティス・シュリンプ」を人間と対決させようという儲け話を持ちかけられることから始まります。「エビにボクシングなんて無理だ」と至極真っ当な意見で一蹴するビルでしたが、ハミッドが言うそのエビは2.1メートルに巨大化したエビだという。冴えない日常から抜け出したいと思っていたビルは大枚はたいてそのエビを買い付け、ボクシング興業の旅に出るというぶっ飛んだ内容。

しかも、この映画のぶっ飛んでいる所は、その奇天烈な内容だけにとどまりません。そもそも物語に出てくる巨大生物はエビではなくシャコで、しかも、ビルたちが開催したイベントもボクシングではなく、ボクシングの様ななにかという、ストーリーも内容もすべてにめちゃくちゃな作品です。

しかし、訳が分からないストーリーながらも、ラストを見終えたあなたはビルとエビの友情に少しばかり感動するかもしれません。バカらしさと愛らしさのバランスがちょうどいい超ド級のB級映画。気になる方は試してみてはいかがでしょうか?

 

2.イカったイカがプロレス業界に殴り込み!『いかレスラー』


この作品は、『えびボクサー』を日本に配給し、大成功に導いた叶井俊太郎が企画した作品。

物語は架空のプロレス団体・超日本プロレスの王者決定戦で、念願のチャンピオンとなった田口浩二が、 “いかレスラー”というイカの姿をしたレスラーに華麗な技を仕掛けられ、チャンピオン・ベルトを奪い取られるところから始まります。

いかレスラーの正体がかつてのライバルレスラー・栗田であったことが分かった田口は、付き合っていた彼女の美弥子を遠ざけ、再びベルトを取り戻すべく練習に打ち込みます。

やがて、いかレスラーと田口との再戦を望む声も高まり、一大イベントとして企画しますが、いかレスラーの意向を無視した超日本プロレスに対して、イカったいかレスラーでしたが、最終的に大晦日のウルトラスーパーデラックスアリーナでなら田口との試合に応じると答えました。

リターンマッチ当日、満員の観客が見守るリングに、いかレスラー、そして修行を終えた田口が上がりました。驚きなのが田口までもが、“たこレスラー”に姿を変え、互角の戦いに挑もうというのです。この、いか VS たこの壮絶なシーフードバトルロワイアル、最後に勝ち残るのは誰になるのか!?

といった『えびボクサー』以上にめちゃくちゃな内容なのですが、いかとたこも特殊メイクやCGを施さず、チープな着ぐるみで代用していて、作りが非常に安っぽい。B級ならではの良さがふんだんに出ています。しかし、B級な割には出演陣が豪華。いかレスラーを現文京区議会議員で元プロレスラーの西村修。そして、ルー大柴やテリー伊藤、白石美帆などが友情出演するなど、もっと作品作りにお金を使った方が良いのでは?と思うほどの豪華ぶりです。

格闘技縛りで変な映画を二つ紹介しましたが、気になった作品はありましたか?
個人的に両作品ともかなりオススメですが、おそらく大半はレンタル代、購入代、そして貴重な時間を無駄にすることでしょう。
ただ、この作品を観た人はきっとこの経験はかけがえのないものになることを信じていますし、そう思い込んだ方が良いと思います。

共にB級映画の扉を開いてみませんか?

以上、ためになるようでためにならないB級映画紹介でした。

文/中野皓太