2022年7月23日(土)~24日(日)、東京体育館にて、国内最大手のフルコンタクト空手団体・新極真会による「カラテドリームフェスティバル2022」が開催されている。ドリームフェスティバルは3000人以上の選手が出場するビッグイベントであり、今年も全国から老若男女が参戦して熱戦を繰り広げている最中だ。
大会初日となる本日(23日)には、試合に先立って新極真会と吉本興業のコラボ記者会見が行なわれた。会見では新極真会の選手が吉本興業の「ふるさとアスリート制度」に登録することを表明。各選手が志を口にした。
「ふるさとアスリート制度」とは、スポーツ選手が故郷やゆかりの地に派遣され、クラブチームの指導やスポーツ関係のイベント・番組への出演などを行なうというもの。アスリートの派遣により地域を活性化させ、その活力を日本全体に広げることを目的としている。
先日VITUP! でも紹介したように、新極真会では「高速パンチ女子大生」として人気を博した目代結菜選手を筆頭に、芸能活動への機運が高まっている。そこで芸能活動など、空手以外の活動にもチャレンジしたい選手に門戸を開くべく、今回の取り組みがスタートしたとのことだ。
会見には新極真会から小井泰三事務局長と、8人の選手(鈴木未紘、石原凜々、村田哲成、村田愛純、宮田龍生、宮田翔矢、柏木桜太郎、古川海音)が参加。吉本興業からは人気芸人・相席スタートとニューヨークが登壇した。
さっそく、共同計画がスタート! と思いきや、そうはいかない。「選手たちは本当にふるさとアスリートにふさわしいのか?」と空手経験者のニューヨークのふたりが疑問を投げかけ、選手たちの実力を査定することに。そこに同じく経験者の相席スタート・山添さんも加わり、新極真会の選手たちとの空手3番勝負が展開された。
まず1つ目の勝負はビッグミット対決。人の丈ほどあるミットを片方が身につけ、そこにもう片方が突きや蹴りを打ち込んでいくというものだ。新極真会からはドリームフェスティバルで3連覇中の村田哲成選手、ニューヨークからは極真空手初段・嶋佐さんが登場して交互にミット打ちを展開した。
先行のニューヨーク・嶋佐さんの猛攻に対して微動だにしない村田選手。一方、後攻で村田選手の攻めが展開されると、威力満点の蹴りと突きで嶋佐さんをノックアウトした。
「村田君が強すぎて、ステージから落ちてしまうわ(笑)」と嶋佐さん。舌を巻くほどの力強さで、新極真会が1番目の勝負をものにした。
次は2種目目・下段廻し蹴り対決。ドリームフェスティバル10連覇&全日本大会準Vという鈴木選手の蹴りをニューヨーク・屋敷さんが受けてノーリアクションであれば勝利というルールだ。勝負は鈴木選手の強烈な蹴りがヒットし、屋敷さんはたまらず悶絶。「骨に効く」というほどの威力で鈴木選手が勝利をものにした。
ラストは3種目目の腹打ち。こちらは本来ふたりが交互に腹筋にパンチを叩き込み、腹筋の強さを高めるというものだ。今回は特別ルールで、石原選手の突きを相席スタート・山添さんが耐えられれば勝ちという、2種目目に続いての耐久戦が展開された。石原選手の突きを見た瞬間から「これはやばい」と驚きをあらわにしていた山添さんだが、1回目の突き3発には倒れ込みながらもポーカーフェイスで突破。2回目には「6発耐えて見せましょう」と気合いを込めたが、5発目の突きで無念のK.Oとなった。
芸人たちの軽快なトークと体を張ったパフォーマンス。新極真会の選手による技の披露で、会場は大きな盛り上がりを見せた。人前でパフォーマンスをする機会は、選手たちにとっても貴重な機会になったことだろう。
結果、3番勝負は新極真会が強さを見せて勝利し、芸人たちからの太鼓判を獲得した。選手たちの夢が詰まった「ふるさとアスリート制度」への挑戦について、新極真会の小井泰三事務局長は以下のように思いを語った。
「今日はこのような機会をいただきありがとうございました。今後は吉本興業様のお力添えをいただきながら、空手の魅力を存分に発信していければと思います。ふるさとアスリートは少年や一般の男女だけではなく、老若男女を対象と聞いておりますので、空手家のセカンドキャリアにもつながるのではないかと思います。みなさん、これからがんばっていきましょう。今日から始まる2日間のドリームフェスティバルも、ぜひよろしくお願いいたします」
驚きあり、笑いありの会見も終盤。各選手による空手やその他の活動に対する抱負が語られたのちに質疑応答を挟み、会見は終了した。
鈴木「世界チャンピオンを目指しつつ、芸能活動のほうにも挑戦していきたいです」
石原「今日はありがとうございました。有名になって活躍できるようにがんばります」
村田(哲)「ドリームフェスティバルを4連覇します」
村田(愛)「チャンスがあればテレビに出たいです」
宮田(龍)「芸能人を目指してテレビや映画に出てみたいです」
宮田(翔)「型も組手も優勝できるようにがんばります」
古川「空手でみんなを笑顔にできるようにがんばります」
柏木「ドリームフェスティバルでは歴史に名を刻めるようにがんばって、芸能でも有名になれるようにがんばりたいと思います」
新たなチャレンジに意欲を見せる選手たちの心と、地域活性化の取り組みが融合して走り出す。会見に登場した選手たちが出場する、「カラテドリームフェスティバル2022」も24日(日)に最終日を迎え、熱戦が展開されることは間違いなしだ。
文/森本雄大
写真/長谷川拓司