バーベルのバーだけでのトレーニングも意味がありますか?【バズーカ岡田にきけ!】




これからボディビルを始める初心者から、大会出場経験もあるベテランまで。あらゆるボディビルダーの悩みを骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回は、これからボディビルを始める人のために、ちょっとした心構えをご紹介。
※この記事は2020年に投稿した内容を、再編集してお届けするものとなります。

A.ちゃんと意味はあるので、恥ずかしがらずにやりましょう

ジムでバーベルやダンベルなどのフリーウエイトを使ったトレーニングを始めると、最初のうちはバーだけでベンチプレスやデッドリフトをするように指導されると思います。まわりの人たちは重いバーベルを使っているのに、自分はバーだけだと恥ずかしいと思ってしまうこともあるでしょう。

でも、それは誰もが通る道。そこで恥ずかしがらずにきちんとしたフォームを身につけることが、理想の体を手に入れる近道です。そこできちんとしたフォームや、思い描いた軌道でトレーニングする技術を身につけておかないと、効かせたい筋肉に負荷を与えることができなくなってしまいます。

トレーニング中級者くらいまでは、どうしてもどれくらいの重さを挙げられるかにこだわってしまいます。たしかに、高重量を挙げることも大事な要素のひとつではありますが、トレーニングは扱う重量を競っているわけではありません。

きちんとしたフォームや、思い描いた軌道でトレーニングを行なうテクニックを身につけることが大切です

重量にこだわっていると、どうしてもフォームが乱れてしまいがち。鍛えたい筋肉に効かせることができなくなってしまうことも少なくありません。それよりも自分がきちんとコントロールできる重さで、確実に効かせたい筋肉を使って挙げることのほうが重要なんです。私も昔は重さにこだわっていましたが、今はベンチプレスでも100kg程度の重さしか扱いません。近くにもっと重い重量でやっている人がいると、対抗したくなる気持ちもわかりますが、そこはグッとこらえて本来の目的である狙った筋肉に効かせることを優先しています。

初心者の方もバーだけだからといって恥ずかしがる必要はまったくありませんから、本来の目的を忘れないようにしましょう。どうしても恥ずかしさが先に立ってしまうような場合は、誰か一緒にトレーニングしてくれる人、できれば教えを乞えるような先輩を見つけるといいかもしれません。誰かと一緒なら、恥ずかしさもだいぶ和らぐと思います。

撮影/長谷川拓司


岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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