両方やるのがいいですが、どちらかと言えば筋トレが有効
脂肪を燃やすという観点から、有酸素運動のほうがダイエットに効果的だと思われがちですが、私はまず筋トレで基礎代謝を上げて太りにくい体をつくるほうが大切だと思います。
有酸素運動は確かに脂肪を燃焼しますが、脂肪だけをエネルギーにするわけではないので、筋肉も落ちてしまう場合があります。そうすると、いわゆる“燃費のいい”体になってしまうので、運動をやめるとリバウンドしやすいんですね。まずは筋トレでエネルギーを消費しやすい、“燃費の悪い”体にしておけば、普段の生活での消費カロリーも上げることができます。
ただ、筋トレだけをやっていればいいとは思いません。筋トレで消費するエネルギーだけで、ついてしまった脂肪をすべて燃やすのは難しい。ジムに行ったら最後にエアロバイクを漕ぐなど、有酸素運動を組み合わせていくべきでしょう。筋トレで体組成が変わり、燃費の悪い体になっていれば、同じ運動でもより多くのカロリーを消費できます。
また、高重量を扱う筋トレは集中力を必要とします。それに対して、有酸素運動はそこまで集中しなくても“ながら”で行なえることがいいところでしょう。仕事で疲れている日は音楽を聴きながらエアロバイクを漕ぐだけにするなど、体調やスケジュールに合わせて筋トレと有酸素運動を組み合わせるのが賢い方法だと思います。
私がおすすめするのは、何かのついでに有酸素運動を取り入れる方法。たとえばジムへの行き帰りを歩きや自転車にしてみる、家族の買い物を引き受けて、スーパーまで往復で歩くようにするなど、日常生活の中で有酸素運動をできる機会は意外と多いです。子どもと遊びに行くのもやり方しだいで運動になりますからね。そういう家族サービスと組み合わせれば一石二鳥。そうやって自分の時間をつくったら、ジムに行って集中して筋トレをする。そういう好循環が生み出せるといいですね。
岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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