トレーニングをすると姿勢も良くなりますか?【バズーカ岡田にきけ!】




これからボディビルを始める初心者から、大会出場もあるベテランまで。あらゆるボディビルダーの悩みを骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生に、ズバリきいてしまう連載企画。今回は、トレーニングと姿勢の関係について。
※この記事は2020年に投稿した内容を、再編集してお届けするものとなります。

A.はい。背中を伸ばす動作が多いので、自然と姿勢がよくなります。

体の前側と後ろ側の筋肉をバランスよく鍛えていれば、姿勢は美しくなります。そもそも、トレーニングは姿勢をよくして行なうフォームが多いので、トレーニングを続けているうちに、その姿勢を保つための筋肉が自然と鍛えられます。

特にデッドリフトやベントロウ、ラットプルダウンなどの背中を鍛える種目は効果が高いですね。姿勢が悪いと悩んでいる人の多くは猫背になっていることが多いので、その矯正には背中の筋肉を鍛えるのが有効です。胸を張って背中の筋肉を使うようなメニューです。

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もうひとつ、こちらは女性に多いですが、骨盤が後傾してしまうタイプの姿勢の悪さもあります。お尻の筋肉が失われやすい姿勢をとっているため、お尻が垂れてきてしまう。ですからヒップスラストや、四つん這いになって行なうバックキックなど大殿筋を鍛えるメニューが有効です。この辺りのメニューは背中の筋肉も同時に刺激できるので一石二鳥だと思います。

女性の間でヒップトレーニングが流行っているのは、多くの人がお尻の筋肉が落ちやすい姿勢をとっていることの裏返しでもあると感じています。お尻を鍛えることの意味は大きいと思います。

やってみるとわかると思うのですが、じつはベンチプレスなども胸を張って行なうので背中の筋肉を鍛えることができます。高重量を扱うと背中がつったりするほどですからね。スクワットやダンベルカールなども、基本的には背筋を真っ直ぐにして行なう種目なので、自然と姿勢はよくなります。筋トレをしている人に姿勢がいい人が多いのは、そういう理由からだと思います。


岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学教授、博士(体育科学)、理学療法士、ボディビルダー。東京都立西高校卒、日本体育大学卒、同大学院修了、東京大学大学院単位取得後退学。日体大にて筋肉に関する研究と教育を行なっている。トップアスリートから一般の方までそれぞれに適した身体づくりを提案・指導しつつ、自らも身体づくりの究極の実践者としてボディビル競技への挑戦を続けている(2016年日本社会人ボディビル選手権大会優勝など)。2021年東京オリンピックでは、柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。骨格筋評論家「バズーカ岡田」として『ホンマでっか!?TV』など多くのメディアに出演。公式YouTubeチャンネル「バズーカ岡田の筋トレラボ」は登録者約25万人(2022年4月現在)、『除脂肪メソッド』など著書は累計100万部を突破している。社会実装が重要と考えており、実践と学術研究から得られた実践的・科学的知見を実際に享受できる場として、パーソナルジム「STUDIO BAZOOKA」やボディケアサロン「ACTIVE RESET」を展開している。
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