肉体改造をする時、炭水化物はカットすべき?




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する連載。今回は、勘違いしがちな肉体改造中の栄養摂取について。
※この記事は2020年に投稿した内容を、再編集してお届けするものとなります。

■完全にカットするには専門性の高い知識が必要

カーボカットはひとつの手法として捉えるべきでしょう。

どのような肉体改造を目指しているかにもよりますが、脂肪を落として見映えのいい肉体を目指すという場合には、ひとつの手法としてはあり得ます。ただし完全なカットの場合は専門性が高く、いくつかの問題点や留意点もあるので気をつけなくてはいけません。

まず、筋量は増えないと考えたほうがいいでしょう。糖質抜きで筋肉の量を増やすことは、相当効率が悪いのです。つまりダイエット向きではありますが、バルクアップには向いていない手法です。

脂肪をきちんと摂らなくてはいけません。脂質も悪と考えてカットしたり、抑えたりするようなことがあると、三大栄養素のうちのふたつの主要なエネルギー源を塞いでしまうことになりますから、体重は落ちても見映えの悪い体になってしまいます。

脂肪の質にもこだわりましょう。

脂肪は何でもOKというのは少し乱暴です。飽和脂肪酸(ラウリン酸、パルミチン酸など)は最低限にして、ω-3系不飽和脂肪酸(α-リノレン酸、EPA、DHAなど)や中鎖脂肪酸(オレイン酸やリノール酸など)を活用するといいでしょう。

どこまで糖質をカットするかにもよりますが、ブドウ糖は脳の主要なエネルギー源ですから、体が適応してくるまでは仕事や日常生活において低血糖にならないように気をつける必要があります。とくにトレーニング時にエネルギー不足とならないよう気をつけてください。

ウエイトトレーニングもしっかりと取り入れてください。単に体重を減らすという目的であればかまいませんが、筋肉への刺激がないと一気に筋量を減らしてしまいます。また、長時間の有酸素運動は避けるようにしてください。有酸素運動自体は脂肪を燃焼させる上で有効ですが、ランナーの場合には糖質カットは体へのダメージが大きすぎて向いていないと思います。

このように、留意すべき点が多々あります。すべてをカットではなく、一部減らすという方法も合わせて検討するといいかもしれません。その場合は、朝食やトレーニング後などはある程度糖質を摂取するようにして、夕食の糖質を抑えるようにするといいでしょう。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。