サプリメントは水以外で飲んでもいい?【桑原弘樹のサプリ道】




サプリメント実践的活用のスペシャリストである桑原弘樹さんが、サプリや栄養に関する疑問を解決する新連載。今回は、サプリメントを飲む時の飲料について。
※この記事は2020年に投稿された内容を、再編集してお届けするものとなります。

■組み合わせNGの飲料に気をつけよう

サプリメントの種類によりますね。例えばプロテインであれば、牛乳でもオレンジジュースでも構わないでしょう。

ただし、プロテインを飲む意味はタンパク質だけを的確に摂取するということですから、通常の牛乳で割った場合には脂質も入ってくることを理解しておく必要はあります。したがって、牛乳であれば低脂肪乳にするなどの工夫はあってもいいでしょう。その場合はカルシウムのような微量栄養素も加わってきますし、オレンジジュースなども糖質の影響で吸収効率が上がりますから、基本的には水以外のものも可ということになります。

プロテイン以外では、例えばアミノ酸は吸収スピードがウリのサプリメントですから、牛乳のような飲み物で飲んだ場合、栄養価は損なわないものの、吸収スピードが落ちてしまいますので、一般的には水がおすすめです。

サプリメントに関しては極端に飲み物を気にする必要はありませんが、水で飲むのが一番無難ではあります。ただ、薬と飲み物の相性はある一定の注意が必要になります。

いくつかの抗生物質はマグネシムやカルシウムといったミネラルと薬の成分が結合することで効果が減ってしまいますから、サプリメントでなくとも牛乳のようにミネラルを豊富に含む飲み物は避けるべきです。

また有名なのは、ワーファリンという薬は血液を凝固させる働きのあるビタミンKを抑える作用のため、逆にビタミンKを豊富に含む食品や飲み物はNGとなります。ビタミンKは食品では納豆が代表的ですが、青汁やクロレラに多く含まれています。

もうひとつ代表的に相性がNGなのが、グレープフルーツ(ジュース)と降圧剤であるカルシウム拮抗薬です。この場合はグレープフルーツに含まれる成分が、薬の効果を増強してしまうため、血圧が下がり過ぎてしまうという副作用が生まれてしまいます。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。