「なりたい自分がアップデートされていく」。身長150㎝の美ボディトレーニーが、筋トレに魅了される理由【My Training Life/後藤美来】




アスリートから一般のトレーニーまで、それぞれのトレーニングとの向き合い方を紹介する連載「My Training Life」。今回登場するのは、今年7月に行なわれた「Super Body Contestラグーナテンボス大会」と「SBBF×SBC」のSBC部門・CHARM クラス(⼥⼦ 18歳〜29歳)でそれぞれ優勝をはたした後藤美来さん。コンテスト選手兼パーソナルトレーナーとして活躍する、彼女のトレーニングライフに迫った。

子どもの頃から体を動かすことが大好きだった後藤さん。高校まではソフトボールに打ち込み、競技の楽しさやチームプレーに魅力を感じていた。そんな彼女の感性は、大学入学を期に少しずつアップデートされていく。

高校でソフトボールを引退し、大学からはダンスに精を出すようになった。周囲にスタイル抜群のおしゃれ女子が多い環境で、自らも「おしゃれな服を着たい」「映えたい」という感情が込み上げた。そんな思いからトレーニングに着手すると、この試みが彼女の人生を大きく変えた。

「鍛え始めてしばらくすると、友達から『めっちゃ変わったね!』と褒められてうれしくなりました。ソフトボールは単純に競技の面白さにハマっていましたが、それとは違った感覚を感じたんです」

体が変わる喜びを噛みしめていると、思わぬ道が連鎖的に拓けていった。鍛えた体をSNSに投稿していると、友達から「トレーニングを教えてほしい」との依頼が舞い込んだのだ。そこでトレーニングを指導するようになると、教えることの楽しさに目覚めた。

トレーニングはやらなくてはいけないものではなく、楽しむもの。トレーニングが続かないという人々を指導する中で、「より多くの人に鍛える楽しさを伝えたい」と、新たな目標が生まれていった。

そうしてトレーナーの道を志し、大学卒業後にパーソナルトレーニングジム「REVIAS(レヴィアス)」へ入社した後藤さん。そこでSuper Body Contest(SBC)の存在を知ると、ぜひ出場してみたいとトントン拍子で出場を決意。新境地で輝きを放つべく、勤務と平行してボディメイクやポージングに磨きをかけた。

そして迎えた初舞台。7月の「SBCラグーナテンボス大会」SBC部門・CHARM クラスに挑んだ。150㎝と小柄だからこそ、ダイナミックなポージングで魅せることを意識したという。

「コンテストのステージは楽しかったです。初めは緊張していましたが、ステージに上がったら楽しさが勝って、堂々とできました。『ここには自分しかおらん!』というくらいの気持ちで楽しむことができました」

初陣の結果は、なんと初出場・初優勝。そして二度目の挑戦となった8月の「SBBF×SBC」でも、さらに磨いたボディとステージングで、SBC部門・CHARMクラスの優勝を達成。コンテスト選手としてはノーキャリアながら、見事に結果を残してみせた。

トレーニングを始めて大きく変わった彼女に、今の人生について問う。すると「今のほうが断然いいです」と笑顔で答えが返ってきた。

「トレーニングを始めて、好きなスポーツ、感じる喜びなどが大きく変わりました。何より喜びだったのが、トレーニングには終わりがないことですね」

スポーツは試合に勝つことがひとつのゴールであり、その後は燃え尽きてしまう。しかしトレーニングであれば理想の体を目指し続けることができる。そのやりがいが、後藤さんの喜びになっているのだという。

「トレーニングを始める前の自分から見たら、今の私はトレーニングをやり尽くしていると思うんです。でも今は、まだまだ理想の体に向けて鍛えたいと思っています。そのくらい、なりたい自分がアップデートされていくんですよね。それにトレーナーとして、鍛える楽しさを伝えたいという目標もできました。競技者としては理想の体に向けて鍛えたいですし、トレーナーとしてはトレーニングの魅力を発信できるようにがんばります」

“映えたい”の一心から始めたトレーニング。それが大きな喜びを生み出し、彼女の人生を彩るものへと変わっていく。

取材・文/森本雄大
写真/木村雄大
写真提供/後藤美来