アスリートから一般のトレーニーまで、それぞれのトレーニングとの向き合い方を紹介する連載「My Training Life」。今回登場するのは、今年8月の「Super Body Contest東京大会」でSBC部門、TREND部門、SBC DENIM内の3クラスで入賞をはたした鈴木太郎さん。今大会が初陣となった鈴木さんに、日頃の活動やトレーニングへの思いを聞いた。
一家のパパ、会社の係長、サーファー、コンテスト選手……。多彩な顔を持つ鈴木太郎さんは、週5のトレーニングに励む筋トレ愛好家。「今日も波に乗ってきましたよ」と話す笑顔から伝わるように、日々の充実度は言わずもがなだろう。
そんな彼の幸せを土台から支えているのが、1年前から始めたトレーニング。当初の目的はボディメイクのためならず、趣味のサーフィンのためが大きかった。休日のライドがライフワークだった鈴木さんだが、30代を迎えると衰えに一抹の不安を覚える。「サーフィンの技術を維持したい」とトレーニングに着手すると、この試みから思わぬ喜びが見えてきた。
「筋トレで体が変わるのが楽しくて、気づいたらサーフィンそっちのけでトレーニングにはまっていきました。まさかこんな風になると思わなかったですね」
外見が変わる、努力の結果が目に見えてわかる。サーフィンの高揚感とは一味違う喜びに魅了された鈴木さん。そのエネルギーが縁を引き寄せたか、ひょんなことからSBCヘッドコーチ兼ディレクターの木下智愛さんとの出会いをはたした。
「家族でシーズーを飼っているんですけど、愛犬つながりでSBCの木下さんとお会いしました。そこでコンテストのことを知って、これは自分も挑戦してみようと思いました」
大会出場を決意すると、本格的なトレーニングや食事の管理を実行。磨いた体で初舞台となる、今年のSBC東京大会に挑んだ。ステージの緊張よりも楽しさが勝ったと話すように、初のコンテストは喜びに満ちていた。
「とにかく楽しかったです。友達が来ていたので、客席を指差してみたりしました。まぁ後で聞くとスベっていたみたいなんですけど(笑)。みなさんの人柄が素敵で絆もできましたし、挑戦してよかったなと思いました」
選手同士の絆を象徴したのが、SBC DENIMのLEGENDクラスでのひとコマだ。審査の最後に選手たちが横一列に並ぶと、腕や肩を組んで笑顔で決めポーズ。この演出は選手たちの間で話が持ち上がり、生まれたものなのだという。
「最初は西澤浩一郎さんと福井重明さんがふたりでやろうと話していたんです。面白そうだなと思ったので、坂部吉昭さんに『僕らもやりましょうよ』と持ちかけたら、『じゃあみんなでやりましょう!』と話が盛り上がりました。コンテストを通じて人との絆ができたのが、何よりもうれしかったですね」
そうしたドラマを経て迎えた表彰式。鈴木さんの初陣の結果は、初挑戦ながらSBC部門LEGENDクラス4位、TREND部門LEGENDクラス5位、SBC DENIM LEGENDクラス5位と立派なものだった。年末のSBC FINALへの挑戦権をゲットした鈴木さんは、決戦に向けて体を磨き続けている。
「体が変わる喜びはもちろんですけど、サーフィンのパフォーマンスを維持したり、健康になったり、人との関わりができたり、筋トレがあらゆる幸せにつながっています。自分の人生を土台から支えてくれているので、鍛え始めてよかったなと思います」
筋肉が大きくなると同時に、他の面でも幸せが舞い込む。鈴木さんは今後も筋トレとともに、幸福の波に乗り続けることだろう。
取材・文/森本雄大
写真/森本雄大