学生ボディビル、通称・学ボを盛り上げる連載「学ボ応援団(GKB応援団)」。今回は、ボディビルデビューイヤーながら今年の関東学生ボディビル選手権で優勝し、全日本学生ボディビル選手権では2位入賞を果たした刈川啓志郎君(学習院大学2年)にインタビュー。第第2回はトレーニングについて。
★第1回は⇒こちら
重すぎず、軽すぎず、程良い重量で内側の筋肉を鍛える
――刈川君と言えば、大会で見せた「脚」には多くの人が圧倒されたと思います。どうやってつくり上げてきたのでしょうか。
刈川 やはり、サッカーをやっていたのが大きかったと思います。サッカーをやっている人はみんなそれなりに脚が太くなると思いますが、その中でも昔から周りの人に「脚見せて」と言われることも多かったので、それくらい太かったです。それほど強いチームではなかったこともあって、それぞれが好きなように練習していたのですが、僕はボールを蹴るのが好きで一日中ボールを蹴っていたりしました。今思えば、それがレッグエクステンションのようになっていたのかなと思います(笑)。
――刈川君の脚は外側の筋肉だけではなく、中間広筋も発達して押し上げられているのではないかというコメントを見ました。
刈川 そうですね、内側の筋肉も意識してトレーニングはしています。自分の中でちょうど良い重量があるのですが、動きの中で無理な重量を持ったり、逆に軽い重量ばかりやったりするのではなく、程良い重量でやると筋肉の深部に刺激が入るような感覚があります。そういう感覚で中間広筋は鍛えていますね。
――それは何回を目指してやっているのですか。
刈川 その感覚の時は、だいたい6~10回できる重さを持ってやります。僕は全部の種目で「これ以上筋肉が収縮したり伸びたりすると切れちゃうな」とか、絞っていってキュッとなる感覚でそのセットをやめることが多いです。これは他のトレーニーに言ってもあまり共感を得られないですが、それがこの脚ができた秘訣かもしれないです。
――普段はどんな脚トレをされていますか。
刈川 インナーサイ3セットとアウターサイ2セット、レッグエクステンション8セット、座った状態のレッグカール6セット、ハックスクワットを重い重量で3セットと外側を狙って5セット。あとはルーマニアデッドリフトとブルガリアンスクワットを3セットずつダンベルでやって、最後に軽い重量でスクワットという感じです。
――かなり種目が多いですね。
刈川 もともとスクワットを中心にやっていたのですが、ヒザや腰が悪くなってできなくなってしまった時に、それ以外のメニューで補おうとして種目が増えました。今はスクワットも再開しているので、種目は少し減っています。
――トレーニングはどこで学ばれたのですか。
刈川 始めた時はYouTubeを見て勉強したり、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)の選手のDVDを見て参考にしたりしていました。学習院では大会に出場するためにウエイトリフティング部に所属していますが、部として活動することはほぼないので、基本的にはすべて自分でやっています。
――誰かに教わったりしているわけではないんですね。
刈川 ただ、ポージングに関しては7、8月あたりから臼井オサムさんに見てもらっていました。ウエイトリフティング部の主将の鈴木巧人君が成増トレーニングセンターで臼井さんにお世話になっていて、「来てみなよ」と誘われたので僕も行き始めたという感じです。トレーニングが終わったら「はい、ちょっとやってみよう」という感じで、ポージングの練習していました。臼井さんの練習はとてもきつかったですが、大会映像を見るのが好きで、見せ方も大事だなとずっと意識していたので、ステージ上での見せ方は臼井さんのおかげで養われたものだと思います。
★第3回ではボディビル論を聞いていく
取材・文/シュー・ハヤシ
写真/木村雄大