学生ボディビル、通称・学ボを盛り上げる連載「学ボ応援団(GKB応援団)」。今回は、ボディビルデビューイヤーながら今年の関東学生ボディビル選手権で優勝し、全日本学生ボディビル選手権では2位入賞を果たした刈川啓志郎君(学習院大学2年)にインタビュー。最終回は今後の目標について。
3年後には日本のファイナリストに入りたい
――ボディビルデビューイヤーは全3戦を戦いました。まだはじめたばかりというところですが、現時点でボディビルをやっていて良かったことはありますか。
刈川 まだまだこれからというところはありますが、今感じているのはやっぱり楽しいなということです。もちろん、まだ本当の楽しさを感じられてはないと思いますが。あとは、大会に出ることでいろいろな人と仲良くなれるのもそうです。純粋にステージが好きなので、大会に出場するのはとても楽しいです。
――仲間も増えましたか。
刈川 はい。関東学生では脱水症状になってしまったときに、皆さんが水とか塩を持ってきてくれて助けてもらいましたし、マッスルゲートで同じ新人の部に出場した千田暉選手とはそこで友達になって、フリーポーズも「こんなのどうかな?」と相談させてもらっていたんですよ。実は関東大会のフリーポーズを前日に来てくれて一緒に練習しましたし、フリーポーズで使う曲のCDも千田選手にお願いしたんです(笑)。
――これからも出場を続けていく中でいろいろな人と戦うことになります。現時点で、今後強化していかなければいけないと考えている部分はどこですか。
刈川 強化する部分は本当にたくさんありますよ、もう全部です(笑)。まずは肩ですね。僧帽筋は大きいのですが、なで肩でサイドとリアが弱いという感じがあるのでそこを強化していくのと、あとは胸が小さいので大きくしたいです。
――関東学生でも胸の部分賞は逃していました。
刈川 胸は本当に苦手というか。でも最近は結構感覚をつかみ出してきたので、進化できそうな感じはしてします。脚に関しても多くの方に褒めてもらえたとはいえ、前から見た時の迫力はあるのですが、横を向いた時の厚みがトップ選手と一段足りていないので、スクワットで重さを扱って重厚感を出さないといけないなと思っています。あとはカーフも弱点ですし、こうやって挙げていくと結構ありますね(笑)。
――最終的な目標を教えてください。
刈川 もちろん日本一です。全トレーニーの夢だと思います。
――今日こうやって話していて、大学2年生ながら理論的にボディビルに取り組んでいることがよくわかったので、そこへの道筋も綿密に計画を立てているのではないかと思います。
刈川 やはり一朝一夕で体は変わらないので、今後3年間くらいの増量と減量の幅まである程度の計画はしています。そこまでに出る大会も決めていて、来年と再来年の日本ジュニアボディビル選手権で優勝して日本選手権出場、そして3年後の日本選手権でファイナリスト入りを目指しています。
――今年の日本選手権ではジュニア王者で23歳の杉中一輝選手が初のファイナリスト入りしました。それと同じタイミングで。
刈川 そうですね。そのためには、まずは来年のジュニア選手権で宇佐美さんにリベンジしないといけません。
――3年後にはどうなっているかはわかりませんが、チャンピオンの相澤隼人選手も超えていかないといけませんね。
刈川 相澤選手はボディビルダーとして完成されていると思っているので、勝つのはすごく難しいことだとはわかっています。おそらくですが、同じ身長、同じウエストや骨格の選手が相澤選手に勝つのは、かなり難しいのではないかと思っています。今年のファイナリストで言えば、喜納穂高選手が確か173cmでもっとも身長が高かったと思いますが、僕は175cm。骨格やタイプも身長も違うので、そこまでにさらなる筋量をつけて横に並ぶことができれば、チャンスはあるのかなと考えています。
取材・文/シュー・ハヤシ
写真/木村雄大