佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.19 木内康介(パーソナルトレーニングジムBiP田町店)後編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回は「パーソナルトレーニングジムBiP」田町店の木内康介トレーナーの実戦編。姿勢改善、機能改善を得意とする木内トレーナーのトレーニングを体験しました。

木内トレーナーが得意としているのは、姿勢改善、機能改善ということで、まずは姿勢のチェックからスタート。5~6歩、その場で足踏みをしてから停止して、自然な状態で立った姿勢を正面、横、後ろとチェックします。

そして木内さんは普段から骸骨模型を用いて実際の骨盤の歪みなどを解説していると言います。私は骨盤後傾の少しスウェーバック気味。

骨盤後傾の原因はいくつか考えられ、一番多いのはハムストリングの緊張。ハムストリングの緊張をとることと同時に、骨盤を前傾させる筋肉を鍛えることで、ニュートラルなポジションに戻すというのが木内さんの見立て。骨盤を前傾させる筋肉としてターゲットとなるのは、腸腰筋と大腿直筋です。

 

まずはハムストリングの緊張をとるためのストレッチです。ボールを使って大殿筋をゆるめ、ホームローラーでハムストリングをゆるめていきます。トレーニングの前に大殿筋、ハムストリングの緊張をゆるめておくことで、機能低下を防ぎ、効率的なトレーニングができます。

最初のトレーニングはお尻からです。サイドプランクの姿勢から、ヒザを曲げたまま上下に10回動かし、続けて足を伸ばして上下に10回、最後は大きく8の字を描きます。これは下の臀部がターゲットとなります。

左右両方行ないます。姿勢を保持するために大事な中殿筋にしっかり刺激を入れたところで、続いてはハムストリングにアプローチしていきます。

 

ボールを足に挟み、バランスボールを使ってヒップリフトです。ボールを蹴ってお尻を上げて、上がったときに足に挟んだボールを潰すように内転筋に力を入れます。

続いては片足バージョンですが、足がつりそうだったので、もも裏のPNFストレッチでケアをしてもらいます。「つるということは、脳がこれ以上やると危ないよという危険信号を出して緊張してしまうだけなので、事前に軽めの刺激を入れると、つりやすさが軽減します」と木内さん。

ハムストリングの緊張をゆるめたことで、つりそうな感覚はなくなり、片足バージョンのヒップリフトに再度チャレンジします。今度は大丈夫でした。

骨盤後傾の原因である、ハムストリングと中殿筋をケア、刺激を入れたところで、続いては骨盤を前傾させる筋肉にアプローチしていきます。普段なかなか使えていない腸腰筋のトレーニングです。動作は簡単で腹圧を入れた状態で片足立ちになり、腸腰筋を意識しながら足の引き上げを繰り返します。さらにバンドをつけて、テンションが抜けないように保ちながら20回行ないます。

腸腰筋に刺激が入って筋肉は疲労しつつも、足が元気になった印象があります。ジワジワと負荷を感じていたものの、「ここからはメインのトレーニングに入っていきます」と木内さん。まだ本格的なトレーニングではなかったのか……。気を取り直して、スプリットスクワットから。

股関節をしっかり折りたたむように曲げていくと、お尻にストレッチがかかります。ターゲットにしっかり刺激が入るように、ヒザの曲げ方、角度、体の傾け方などを細かくチェックしてくれるので、効いている実感がすごくあります。

 

続いてはルーマニアンデッドリフトです。ヒザを軽く曲げて、それ以上は動かさず、股関節から折りたたみます。しゃがむのではなく、股関節を軸に体を覆いかぶせるイメージで倒し、ハムストリングに刺激を入れていきます。

メイントレーニングの3種目はTRXを使います。バンドの両端を握り、姿勢を正して片足立ちになり、足をクロスさせながらしゃがんでいき、かかとで踏んで押し上げるという動作。腸腰筋、中殿筋、内転筋も含めて多くの筋力を総動員している感覚がありました。さらにバランスをとることも求められるトレーニングです。

腸腰筋も中殿筋もハムストリングもすでにご機嫌な状態ですが、ここから締めのトレーニングに入ります。最初は上の足側の中殿筋ターゲットになります。上からの負荷に5秒間耐えます。

続いてはうつ伏せになって足をお尻側に引っ張って、反対方向への負荷に抵抗します。ターゲットはハムストリングです。

最後は仰向けになって、前ももです。足を上げるようにして上からの負荷に耐えます。

下半身の筋肉たちが「いっぱい、いっぱいです!」と悲鳴を上げています。しっかり筋肉を使ったので、最後はストレッチでケアをして終了。見た目は地味かもしれませんが、ガッチリ効いたなというトレーニングでした。

 

「アスリートやボディコンテスト(競技者)の方というよりも、一般のお客様が多いので、その方たちに求められるメニューを提供させていただいています。たとえば腸腰筋はつまずき防止に大事ですし、姿勢改善も年齢を重ねていくと共にとても大事になってきます。自宅でもできるトレーニングも多いので、ぜひ取り組んでみてください」(木内さん)

 

段々と年をとってきて、足が上がらなくなってきたりするので、腸腰筋のトレーニングは大事ですね。

 

というわけで、今回はここまで。木内さん、ありがとうございました。

 

 

【トレーナーPROFILE】
木内康介(きうち・こうすけ)
1989年6月22日、千葉県出身。パーソナルジムBiP田町店所属。2018年〜2019年まで大手フィットネスクラブにてジムスタッフとして働きながら、パーソナルトレーナー養成学校「2ndPASS」に通い、2019年に卒業後、NESTA-PFTを取得。その後、パーソナルトレーニングジムBiPに就職し、年間1000セッション以上を担当。

 

【店舗情報】
パーソナルトレーニングジムBiP
〔田町店〕東京都港区芝浦2-14-13 加瀬ビル161-2F/〔飯田橋店〕東京都千代田区飯田橋3‐7‐3 岡田ビル4F
営業時間:9:00~22:00
料金:週2回×2カ月(全16回)154,400円(税込)
※その他、無料体験、キャンペーンなど料金の詳細はHPをチェック。

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。