粉末? タブレット? プロテインの形状で何が変わる?【プロテイン入門⑤】




第2回ではプロテインにさまざまな種類があることを紹介し、第3回からは第2回で紹介した分類について、桑原さんに詳しく解説してもらいました。今回は粉末・タブレットなどの形状の違いについて。

形状の違いは摂取シーンの違いといってもいいでしょう。

通常プロテインといえば、粉末のものをシェーカーなどで水に溶かして飲むというのが一般的かと思います。確実に、必要量を素早く摂取できるという点において、ほぼ完璧に近いタンパク質摂取の仕方であるとも言えます。ただしこの際の不都合な点は、携帯に不便、水やシェーカーがないと飲めない、オフィスや車内では人の目が気になる等々が挙げられます。

タブレット形状のものは、このあたりの不都合な点をカバーした製品といえるでしょう。逆に、タブレット形状のデメリットは、タブレット状にするための結着剤を使うので、仮に10g摂取するとした場合、約半分はでんぷんなどのタンパク質以外のものとなります。つまり、摂りたい量の倍以上の摂取をしなくてはならないのです。また、結着剤に何を使うかにもよりますが、意外にも口の中がぱさついて飲み物がないと摂りにくいというデメリットもあります。仕事中や移動中にタンパク質を補充するといった、脇役的な位置付けで利用するのがいいのではないでしょうか。

プロテインのビルダー飲みといって、シェーカーを使わずに粉だけを口に入れて、その後に水を飲んで口の中で溶かしながら摂取するという荒業もありますが、さすがに一般的には難しいかもしれませんね。

最近はプロテインの普及が進んでいて、コンビニやスーパーなどでも10g以上のプロテインドリンクが普通に売られていますから、これであればコーヒーやジュースを飲む感覚でほぼ場所も選ばずに摂ることができます。また、バータイプのものでもプロテインを高配合したものが登場していますので、ますます便利になってきています。

こうなると、タブレット状のものはますますニーズが減ってきてしまうかもしれませんね。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。