1日何回、1回にどのくらいの量を摂ればいいですか?【プロテイン入門⑪】




トレーニーの方ならば活用している方も多いであろうプロテイン。しかし、これからトレーニングを始めようという方は、どういった基準でプロテインを摂ればいいかわからないのではないでしょうか。今回は、実際にプロテインを摂る際の目安について、桑原さんに解説してもらいました。

プロテインはあくまでも食品ですから、どれだけ飲まなくてはならないという決まりは当然ありません。また、トレーニングの有無や内容、体重、性差、年齢などによっても推奨される摂取量は異なります。

仮に筋トレを週に数回行なっているという前提で推奨量を考えた場合、一応日々のトータルの摂取量は体重×1.5~2.0gのタンパク質を摂りましょうという感じになります。これはプロテインではなく、食事も含めたタンパク質の量ですから、足りない分をプロテインで補うという考えになります。また、トレーニング直後などは食事からのタンパク質摂取では吸収スピードが遅すぎるので、そこはホエイプロテインなどの活用が効果的です。

ちなみに極端な偏食や、朝食を抜くというような事をしていなければ、ざっと体重×1gほどのタンパク質は食事から摂れているので、その差額としては体重×0.5~1g分をプロテインから摂りましょうという事になります。この場合もプロテインの純度を考慮してタンパク質としてどれだけ摂取したかを考える必要があります。

一回の摂取量については、これも個人差があるものの、20~40gが一度に効率よく摂取できるタンパク質の量とされています。マッスルフルというような呼び方をしていますが、仮にトレーニング直後であっても、60gのプロテインを一度に飲んだりするのは無駄な部分が生じてしまい非効率ということです。

トレーニングをしていない日はタンパク質の摂取量を減らすべきかという点に関しては、トレーニング頻度にもよりますが、減らさないほうがいいでしょう。筋肉内でのタンパク質の合成は休んでいる時にこそ優位になりますから、日々のトータル的には同じだけの量のタンパク質を摂っていくほうが筋肥大には効果があるでしょう。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。