プロテインは何で割って飲むのがおすすめですか?【プロテイン入門⑬】




「プロテインを何で割るか」というのは、プロテインを飲もうと思った時に気になることのひとつではないでしょうか。水で割ることが多いプロテインですが、中には牛乳など他のもので割る方もいます。また、飲み続けていると味に変化をつけたくなることもあるかもしれません。プロテインを割るものを変えた時に、効果の違いはあるのでしょうか。今回は、プロテインを何で割るかについて、桑原さんに解説してもらいました。

この質問に対して、まずはいつも答えているのは「水」です。溶かした際のカロリーなどの計算がしやすいですし、もっとも手軽に手に入るからです。

多くのジムでは冷水器が備わっていますし、日本の衛生環境であれば場合によっては水道水を使っても支障ないでしょうから、割るものが無いという理由でプロテインが飲めないという事態にもなりにくいからです。

今ではプロテインもさまざまなフレーバーがあって、次はどの味にしようかといった楽しみ方も生まれています。メーカーがプロテインの味を決めるにあたっては、基本は水で溶かす事を前提にしていますから、開発者がイメージしている味をダイレクトに楽しめるのも水です。

もちろん水以外のもので割っても支障はありません。

オレンジジュースなどで割った場合は味が崩れる可能性はありますが、ビタミンCやクエン酸なども含まれていますし、栄養価はさらに高まるでしょう。ただし、牛乳などの場合は低脂肪乳や無脂肪乳などにしない限り脂質なども含まれてきます。プロテインを摂る目的は確実にタンパク質だけを摂るという点にあるので、タンパク質以外の脂質などが溶かすもので入ってくるのは趣旨に反する側面がありますから少し気を付けたほうがいいでしょう。

タンパク質がしっかりと摂れたらいいという事であればほぼ割るものにNGは無いのですが、お茶などに含まれるタンニンだけは避けておきたい成分です。

タンニンはタンパク質やミネラルなどに反応をしやすいので、プロテインもですがそこに配合されている微量栄養素などにとっても吸収阻害に繋がります。日常的にプロテインをお茶で割るという事はあまり考えにくいでしょうから、実際は気にしなくてもいいかもしれませんが。

シェイクする際には、水で割ったうえでインスタントコーヒーを少し入れてみるとか、味の工夫を自分なりにしてみるもの面白いと思います。

私は冬でも朝食時にアイスコーヒーを飲むのですが、それを少しだけ残しておいて朝食後のプロテインを水で割る際に一緒に入れて飲んでいます。アイスコーヒーと氷がプロテインの美味しさをさらに引き立ててくれます(笑)。


桑原弘樹(くわばら・ひろき)
1961年4月6日生まれ。1984年立教大学を卒業後、江崎グリコ株式会社に入社。開発、経営企画などを経て、サプリメント事業を立ち上げ、16年以上にわたってスポーツサプリメントの企画・開発に携わる。現在は桑原塾を主宰。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部)のPDA(プログラム開発担当)。また、国内外で活躍する数多くのトップアスリートに対して、サプリメント活用を取り入れた独自のコンディショニング指導を行ない、Tarzan(マガジンハウス)など各種スポーツ誌の企画監修や執筆、幅広いテーマでの講演会など多方面で活躍中。著書に「サプリメントまるわかり大事典」(ベースボールマガジン社)、「私は15キロ痩せるのも太るのも簡単だ!クワバラ式体重管理メソッド」(講談社)、「サプリメント健康バイブル」(学研)などがある。プロフィール写真のタンクトップにある300/365の文字は、年間365日あるうち300回のワークアウトを推奨した活動の総称となっている。300日ではなく300回であることがポイントで、1日2回のワークアウトでも可。決して低くはないハードルだが、あえて高めの目標設定をすることで肉体の進化が約束されると桑原塾は考え、実践している。