前回は早大バーベルクラブOBの和田駿さん、ボディビルマニアのちびめがさんに、編集部が気になったかけ声について伺いました。今回はワード3つを紹介しつつ、ふたりが印象に残っているかけ声を教えていただきました。
肉体の特徴をつかんだ、ジャストフィットなかけ声が多数
6.三角チョコパイ!
和田:盛り上がった上腕二頭筋をうまく表現したかけ声ですね。ただ、三角チョコパイじゃなくてもいいのでは?
ちびめが:日焼けした選手は肌が黒いから、チョコ系の色が合っていたんでしょうね。「腹筋板チョコ!」も同様ですが、競技色が出ていて面白いです。
7.ダチョウの卵!
和田:これも上腕二頭筋を表わした言葉ですね。ダチョウの卵は地球上に存在する一番大きな卵と言われていますから、そのくらい大きいということでしょう。たとえば、日本人で上腕二頭筋が50㎝を超えていたら相当な大きさですね。IFBB PROのポパイ関根さんでも48㎝くらいだったような…。今はもう50㎝を超えているかな?
ちびめが:このように選手の筋肉にフォーカスしたかけ声もあれば、選手のプロフィールにちなんだかけ声もあるからすごいですよね。
8.肩に小っちゃいジープ乗せてんのかい!
和田:これはとにかく三角筋が大きいというのと、ジープを乗せられるくらい肩幅が広いということだと思います。なんでジープなんだろう?
ちびめが:最初にこの言葉が出た頃はジープがごつくて一番だったからと誰かが言っていました。ゴツさで言ったらジープだろうと。ハマーじゃなくてジープなのがミソです。
◆ちびめがさんが印象に残っているかけ声
9.ノーベル筋肉賞!
「ガクボの特徴が表われていて、印象に残っています。東京大学を筆頭に高学歴が多いのもガクボの特徴なので、そういった点も興味深いですね。一般の大会とは違い、選手の大学名もわかっているガクボの大会だからこそ、生まれたかけ声なのかもしれません」
◆和田さんが印象に残っているかけ声
10.お尻にバタフライ!
「お尻が大きい選手がちゃんと絞れていると、お尻の形が蝶々のようになることからできたかけ声です。これは『ボディビルのかけ声辞典』にも載っています。僕は以前これをアレンジして『ケツアゲハ蝶、あなたに会えてよかった』という声をテレビでかけたことがありました。ポルノグラフィティさんの『アゲハ蝶』から歌詞をお借りしたのですが、掛け合わせの発想からかけ声が生まれることもあります」
いかがでしたか?かけ声ひとつとっても、その背景にはいろいろな意味や思いが含まれていることがわかりますね。今後かけ声が復活した場合は、声援をきっかけとして、選手や筋肉について発見があるかもしれません。
コアな世界と思われがちですが、「マッチョを生で見てみたい」「友達・先輩が出ている」など、気軽な気持ちで会場に脚を運んでみるのもよいでしょう。もちろん、規制緩和後にかけ声をかけたい時は、選手たちへのリスペクトをお忘れなく!
取材・文/森本雄大