「あの選手は誰だ?」会場をざわつかせる、隠れた実力者たち【2023年に飛躍はなるか? JBBFの注目選手たちPart2】




ここでは前回に引き続き、2023年注目の新星選手を、コンテスト会場の常連である和田駿さんとちびめがさんに語っていただいた。コンテストシーズンを前に、どのような選手の名前が挙がるだろうか?

オンリーワンの武器を強みに、頂点へ躍り出るか

寺岡陽

★東京ボディビル選手権ミスター東京2位(2022年)
★日本クラス別ボディビル選手権大会65kg以下級2位(2022年)

和田:筋肉の丸さや質感、横に張りだすような大きさという点で頭ひとつ抜けていると思います。昨年の東京選手権大会では、この点では一番だったという声もありました。ひとつひとつの筋肉の完成度が高いと感じます。

ちびめが:去年の東京選手権や日本クラス別で、会場中が『あの選手、今までどこに隠れてた?』とざわつくくらい衝撃を残していました。脚の筋肉ひとつひとつが大きく発達してますし、内側広筋がきちんと勾玉の形で出ている人は本当に稀だと思います。

井上貴文
★日本クラス別ボディビル選手権大会80kg以下級4位(2022年)

和田:九州チャンピオンになったことがある選手ですが、東京の人はあまり知らない選手かもしれません。九州を獲った時よりも、今はさらに大きくなった印象です。ポージングの表現力がずば抜けて高く、ステージで独特の世界観を表現していると思います。

ちびめが:井上選手のフリーポーズはオンリーワンのものが多く、キャラ立ちしていて面白いです。体の面でいうと、アウトラインもいいと思います。以前は並ぶメンツによっては細さを感じる時もありましたが、今はアウトラインが大きくなって、並んでも埋もれてしまわない存在感が出てきたと思います。ウエストは引き締まったままなので、理想的なボディビルダーの体型に近いと感じます。

 ©ちびめが

二ツ森昴

★東日本クラス別ボディビル選手権70kg以下級2位(2022年)
★関東クラス別ボディビル選手権大会70kg以下級優勝(2022年)

ちびめが:昨年の仕上がりのよさは、目を見張るものがありました。とにかく脚ですよね。脚の筋繊維の出方がハンパなくて、まるで筋肉に皮膚が張りついているように見えるんです。トレーニングだけでなく、メンテナンスもしっかりしていないとここまでの質感にはならないと思います。大会は比較による審査になるので、他の選手には無い異質感も出さないと審査員の方の目に留まらないので、他の選手との相違を今ある体でどこにするか、選手は悩むと思います。仕上がり重視にして絞ると筋量を削ってしまう可能性が出てくるので減量中は小さくなってしまったのではないかと不安で不安でしょうがないと思うのですが、そこを乗り越えてあの体をつくってきたというのは、彼にしかない強みだと思います。

和田:ただ絞るだけでは、ここまでのカットとセパレートは出ないのではと思います。ちゃんと筋肉量を残そうとしながら絞ろうとしないと出てこないものだと思うので、すごいと思います。

毛利智明

★日本クラシックフィジーク選手権大会168cm以下級 4位(2022年)

和田:ポージングのこだわりで言ったらピカイチだと思います。現時点での自分の体をしっかり表現することで、自分より大きな選手を凌駕するパフォーマンスを見せている気がするので、そういった点がすごいですね。

ちびめが:もともとはメンズフィジークに挑戦していて、2021年のクラシックフィジーク選手権168cm以下級で2位、2022年の同大会では4位に入賞している実力者でもあります。今年の活躍が楽しみです。

(Part3に続く)

ちびめが
ボディビル観戦マニア。個人ブログ「☆ちびめがごっは~ん☆」が話題となり、存在が広く知られることとなった。2018年に発売された「ボディビルのかけ声辞典(スモール出版)」では、巻頭写真集構成・写真協力を担当した。

和田駿(わだ・はやお)
早大バーベルクラブOB。2013年に全日本学生ボディビル選手権で準優勝をはたし、同年のミスター早稲田にも輝いた。現在はOBとして、早大バーベルクラブの監督を務めている。