【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第63回】ただのイケメンになった話




自分のSNSを見てくれている方はご存じかもしれませんが、イケメンになりました。

表参道にある「UR CASTLE」という美容室で、カットしてもらっています。「表参道の美容室」という言葉にオシャレ感が漂っていますが、自分にはオシャレ要素はまったくありません。元々オシャレには疎いので、髪を切りたいと思ったときは、「ホットペッパー」で探して、アキがある美容室に行く感じでした。

 

とくに美容室が決まっていなかったため、以前、この連載で対談してもらった朱里選手に、美容師さんを紹介してもらい、カットしてもらうようになりました。

 

担当してくれている“どすこい”さんは、プロレスや格闘技が大好きな方で、初めて行ったときから私のことを知っていて、陽気に話しかけてくれました。そのときに聞かれたのが、2018年の大晦日の杉山しずか選手との試合のことでした。

 

自分がKOで勝った試合なのですが、杉山選手がリング上で泣いてしまい、そのときの自分の様子が困っているように見えたそうです。負けて涙を流す杉山選手ではなく、「行き場を失っている渡辺華奈選手がかわいそうだと思っていました」と言われました。その視点が斬新であり、優しいなと思いました。

 

そんな“どすこい”さんにカットしてもらった、今回のテーマは、「ハンサムショート」です。ロングだったときは、前髪を切ったり、毛先を揃えたりする程度でしたが、いざショートにしてからは、いろいろ遊べる感覚があります。「ターミネーター」のジョン・コナーや「タイタニック」のデカプリオみたいな感じにしたくて、そこに寄せたイメージとなっています。

 

髪型を変えてからは「イケメン」「カッコイイ」と言われる機会が、すごく増えました。髪型がハンサムショートで、服装はいつもスウェットで、声が低くて歩き方はガニ股なので、よく男性と間違えられます。先日は、ガールズバーの客引きに遭いました(笑)。スパでは男性か、女性かの確認をされます。

 

そしてこちらが、とくに「イケメン」と反響が大きかった写真です。イケメンかどうかよりも、首の太さに自分でビビりました(笑)。

 

ハンサムショートは、オシャレなのはもちろん、機能的な面でも気に入っています。自分の場合、練習があるため、一日に何度もシャワーを浴びます。髪が長かったときは、乾かすことを考えると、「重い腰を上げて」シャワーを浴びる感じでした。シャワーを浴びたいけど、何分も髪を乾かす時間を取られるのが嫌だなと、いつも思っていました。

 

その点、ショートになってからはすぐに乾くので、何度シャワーを浴びても、しっかりドライヤーをかけてボサボサにならないように気を配る余裕もあります。

 

また、髪を結ばずに練習ができるのも良いところです。長いときは休憩のたびに結び直すのが面倒くさくて嫌でした。だからと言って、取れないようにきつく縛りすぎたりすると、練習が終わって、いざ取ろうと思ったときになかなか取れなくて大変だったこともあります。今はそういうストレスが一切なく、すごくいい感じです。

 

格闘技でデビューしてからは、イメージを浸透させる狙いもあって、ずっとロングヘアで編み込みをしていましたが、自分は元々ショートのほうが好きです。ショートにすると男性に間違えられる問題はあるものの、性格的には男っぽいところもあるので、自分にはそれも合っているのかなと思います。

 

「カッコイイ」と言われるのは嬉しいです。もちろん、「カワイイ」と言ってもらえたら、それはそれで嬉しいのですが、言われ慣れていないので、恥ずかしくてリアクションができません。褒めてくださるときは、「カッコイイ」でお願いします(笑)。

 

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW