おしゃれマッチョが鍛えるべきは尻!【コンテスト審査員が解説】




「かっこいいマッチョとは?」というテーマを、日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)の辻本俊子専務理事に競技目線から語っていただく本企画。前回までで、かっこいい体づくりに必要なものは、ずばり全身のバランスであると判明しました。そこで今回は、バランスのよい体のポイントとなる、下半身について詳しく伺いました。

「着こなしマッチョ」にはお尻が大事

バランスがよくかっこいい体をつくるためには、下半身のトレーニングも必須です。とくに尻の筋肉はすごく大切だと思います。お尻に筋肉がないと下半身の安定感が出てこないですし、コスチューム自体がきれいに着こなせないからです。それは、たとえ衣装がゆったりしたものでも同様だと言えるでしょう。

たとえば、メンズフィジークはボードショーツと呼ばれるパンツを着用するので、お尻の筋肉は見えないと思いますよね。ですが、お尻の筋肉が無くてパンツがぷかぷかしているのは、審査員の目から見ると明白です。加えてふくらはぎが華奢であったりすると、いくら上半身ががっしりしていてもマイナスポイントになってしまいます。

お尻の筋肉がしっかり鍛えられていると下半身が安定し、ポーズを取った時に全身がきれいに見えるので「かっこいい体」という印象になると思います。

とくに一般の方が筋トレを始めた初期は、上半身に注力することが多いことでしょう。ですが、下半身を鍛えることもとても重要なのです。目に入る全身の形を整えるためには、土台がしっかりしていないといけません。そして脚を鍛えようと思ったらお尻の筋肉も使えていないと足の力は出てこないと思います。

スーツが似合う、マッチョでかっこいい男性を想像してみてください。その方のパンツは筋肉で適度な張り感があり、お尻もプリッとして上向きではないでしょうか。

鍛えているからといって、一般の方が裸を見せる機会はそうありません。となれば勝負は服を着ている時かもしれません。服を着こなせる「着こなしマッチョ」になるためには、見えないところが大事。さらに言うならばお尻がポイントなのです。服の上から見えるシルエットがかっこよくなるためには、しっかり筋肉をつけていないときれいな形は出てこないと思います。

◆次回は競技でチャンピオンになる選手の、肉体のすごさについて。


辻本俊子(つじもと・としこ)

JBBF(公益社団法人 日本ボディビル・フィットネス連盟)にて専務理事、競技ルール委員会委員⾧、広報委員会委員長を務める。第1回東京クラス別ボディビル選手権46kg級優勝、第5回東京ボディビル選手権大会ミスの部優勝、社会人ボディビル選手権大会マッスルの部優勝、日本クラス別ボディビル選手権大会52kg級優勝、日本ボディビル選手権大会第10回女子の部優勝、ワールドゲームス(オランダハーグ)52kg級7位などの実績を持つ。

取材・文/森本雄大
写真/木村雄大