フルコンタクト空手の精鋭たちが陸上自衛隊奄美駐屯地を訪問。同警備隊の拳法訓練隊および新格闘訓練隊との合同稽古を行なった。奄美支部長でもある緑健児・新極真会代表が奄美大島への自衛隊配備に尽力した経緯もあり、以前から計画されていた交流イベント。このたび新型コロナ対策の緩和を受けて、3月22日、ついに実現をはたした。
お互いに日頃の稽古や組手などを紹介した後、本格的な合同稽古がスタート。緑代表が指揮をとり、まずは基本、ビッグミット、組手……と新極真空手のメニューに取り組む。上段廻し蹴り200本や全力で攻撃を続けるミット打ちといったハードな稽古も、隊員たちは厳しい鍛錬で培った体力を活かして食らいついていく。
この日のメインイベントとも言える組手は、新極真VS自衛隊の構図で①突きのみ、②フルコンタクト空手、③顔面攻撃(掌底)&投げ有りの3ルールによる勝負となった。①②では圧倒的な強さを発揮した新極真勢だが、未体験ゾーンである③では苦戦をしいられる。緑代表が「怖がるな。実戦では相手は顔面も打ってくるし、組みついてもくる。気持ちで負けず、しっかり反応しろ」と檄を飛ばすも、選手たちは何度もマットに転がされ、合同稽古の洗礼を浴びる形となった。
最後は新極真の稽古のひとつであるボディの打ち合い、下段の蹴り合いを経て、100回×2セットのジャンピングスクワットで約2時間にわたる稽古は締めくくられた。
新極真勢からは「いつもと違う内容で新鮮だった」「空手にも活かせると感じた」と前向きな感想が相次いだ。技術面だけでなく心身両面においても貴重な体験となったようだ。
一方、自衛隊側からも合同稽古の継続を希望する声が続出。昨年末、『全自衛隊拳法選手権大会』に初出場し、46チーム中ベスト16の成績を収めた拳法訓練隊からは、「これまで外部の格闘技団体と交流する機会はなかった。大会で優勝するために新極真の道場へも出稽古に行かせてほしい」という申し入れもあった。また、稽古を見学した日髙正暁・奄美警備隊長兼奄美駐屯地司令は「恐怖に打ち勝つには、まず自分自身に勝つことが大切であるとあらためて痛感した」と語った。
緑代表も「武道を通じた交流はお互いにとってプラスになる」と合同稽古の意義を再確認。刺激的なコラボレーションは、今後ますます発展していきそうだ。