全盛期は今! キラキラオーラの源は「自分対自分」の考え方【ダンシーあずさ#2】




頭からつま先まで、鍛え上げた体のトータルパッケージで美を競う競技・ビキニフィットネス。同競技で2022年に世界3位に輝いたダンシーあずささんは、自らを「元々は人と比べてしまう性格だった」と表現する。留学先のスペインで出会ったトレーニングが、彼女の精神面を大きく変えたようだ。インタビュー第2回では、ダンシーさんがトレーニングを通じて感じた自身の変化について聞いた。

トレーニングを通じて「他人対自分」から「自分対自分」へ

――先ほど、社会人になってから行ったスペインへの留学でトレーニングに出会ったと伺いました。まさかルーツが海外だったとは驚きです。

「人生何があるかわからないですよね。大学では語学に専念していて運動から離れていたので、それもあってトレーニングにはまっていったと思います。25歳くらいから本格的にウエイトトレーニングを始めて、体をつくるようになっていきました」

――フィットネスの習慣を取り入れて、体や心にどのような変化が?

「体型が変わるのはもちろん、大きかったのは精神面の変化でした。トレーニングを始めてから、周りと自分を比べることがほとんどなくなったと思います。筋トレは誰かにやらされるものではないので、全部の行動の起点が『自分がやりたい』という思いになります。自分の意思で努力して体が変わってくると、自分を好きになれるようになりました。『他人対自分』ではなくて『自分対自分』という考え方に変わったと思います」

――トレーニングの積み重ねができていることや、体の変化は自信になりますよね。

「はい。コツコツ努力したことで、こんなに結果が出るものはないと思います。たとえば、ゴルフのスコアを上げようと思って毎日打ちっぱなしに行ったとしても、25歳から始めてプロゴルファー級になるのは難しいと思います。ボディメイクは誰でも何歳からでも変わることができる。私もそれに気づいてトレーニングにはまって、今32歳でここまで自分に自信がついて、今の自分が一番いいと思えるようになりました」

――体を鍛え続ける限り、つねに自分がアップデートされていきますからね。

「そうなんです。23歳くらいの時に『私の全盛期は今だな』と思っていましたけど、32歳になって感じるのは今の自分が一番だなということです。それは毎年そうで、進化し続けていけるのがトレーニングの魅力です」

――ちなみに健康面ではどのような変化がありましたか。

「自分の体の変化にいい意味で敏感になったと思います。トレーニングをする前は体重計にも乗りませんでしたし、太ったり肌が荒れたり、睡眠の質が悪くなったり、いろいろなところにエラーが出ても気づかないことがほとんどでした。トレーニング習慣がつくだけで、自分のちょっとした変化に気づけるというのがすごく大きいです。自分の不調を察知して、いい健康状態に向かえるようになりました」

――心身ともによい土台ができていったと。そこから、ビキニフィットネスに挑戦したことでさらにいい影響があったそうですね。

「はい。競技に挑戦してよかったことは、トレーニングで積み上げた土台を活かしつつ、女性らしさを追求することができたことです。競技に向き合うことで女子力を上げることができました」

――2017年には、ビキニフィットネスへの挑戦初年度で、オールジャパン選手権35才以下163cm以下級で4位という結果を残しました。

「はい。初年度が4位で、2年目から優勝を重ねることができています。競技への挑戦はゴールドジムのトレーナーさんからの勧めなので、何が転機になるかわかりませんね。自分に向いていたのかもしれません」

(第3回に続く)

取材・文/森本雄大
写真提供/ダンシーあずさ


ダンシーあずさ
1990年5月11日生まれ。大学卒業後、2015年にスペインへの留学を機にトレーニングを始め、2017年からはビキニフィットネスに挑戦する。選手としてトップ戦線を走りつつ、現在はパーソナルトレーナー、ポージングコーチとしても活動中。
【主な戦績】
<2018~2022年>
オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス ビキニフィットネス163cm以下級 優勝
<2019・2021・2022年>
JBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS ビキニフィットネス 2位
<2022年>
IFBB世界フィットネス選手権 ビキニ 160 cm以下級 3位