頭からつま先まで、鍛え上げた体のトータルパッケージで美を競う競技・ビキニフィットネス。同競技で日本4連覇、世界3位とトップ戦線を走るダンシーあずささんは、トレーニングを通じて「人と比べてしまう性格」を変えることができたという。今回はそんな彼女をさらに魅力的な女性へと昇華させた、ビキニフィットネスの魅力について聞いた。
ビキニには、女性が輝ける要素が詰まっている
――あらためて、ビキニフィットネスという競技の魅力は?
「『女性が輝ける要素が詰まった競技』だというところです。体のアウトラインやシェイプを美しく見せたり、ポージングで女性らしい所作を見せたりするのは代表的なところです。ヘアメイクも含めて、ステージに立って美しく見せるためにどうするかという点では、女性の美にとって欠けていい要素はひとつもありません。まさに女性が輝ける競技だと思います」
――競技を通して美しくなることができる。
「はい。だからこそ、美しく見せるためにはどうしたらいいのかをつねに考えますし、いい意味で人から見られることを意識したり、体だけではないいろいろな部分で、女性としてのレベルが上がったりしますよね」
――美へのあこがれというのは、女性のみなさんにとって共通のテーマだと思います。
「そうですね。競技での評価をトータルパッケージで考えた時に、髪の毛や肌のツヤ、美しさなども重要ですが、そういった部分は普通に生活をしているとそこまで気を遣えないと思います。鍛えた体をステージでよりよく評価してもらうために、細部にも手を抜かずにケアするところから女子力が上がっていきます。せっかく鍛えて絞り切った体なのに、他を気にしていなくて評価が変わったらもったいないですよね。そこまで美を追求していくことで、かなり意識が変わると思います」
――ファッションモデルなど、美を見せるステージには才能が必要なこともあると思います。そういった意味でビキニフィットネスは、誰もが努力で目指せる舞台と言えますね。
「そうですね。『努力で目指せる美の最高峰』だと思います。私は160cmしかないし、特別プロポーションがいいわけではないのですが、自分をステージでよく見せるために研究した結果が今だと思います。何より、鍛えた体への評価は一朝一夕で得られるものではありません。そういう意味で普通の女の子でも目指すことができる世界だと思います」
――鍛えていくことで、理想の自分に近づくことができるというのも魅力ですね。
「コンプレックスがない女性はいないと思いますし、何かしら自分の理想に近づきたいという気持ちは持っているものです。ダイエットや美などは女性にとってある種の永遠のテーマじゃないですか。そこに徹底的に磨きをかけることができるのは、ビキニフィットネスの魅力だと思います。とはいえ大会前は減量などがあり、つねに健康というわけではありませんから、自分にとって無理のないトレーニングから始めるのがいいと思います」
――競技で実績を積み重ね、今では追われるほどの立場になりました。磨いてきた体も含め、過去の自分から見た、今の自分はいかがですか。
「オールジャパンを4連覇した時に、一番変わったなと感じたのは体ではなくて内面の変化でした。私は、自分が理想の体に近づく過程もすごく好きですし、課題をクリアしていっている自分のことも好きです。そういった努力が実ってくると、人生を好きになる感覚があります。健康的な生活を送りたい方はもちろん、自分にどこか自信が持てないという人には、ぜひトレーニングをおすすめしたいです」
取材・文/森本雄大
写真提供/ダンシーあずさ
ダンシーあずさ
1990年5月11日生まれ。大学卒業後、2015年にスペインへの留学を機にトレーニングを始め、2017年からはビキニフィットネスに挑戦する。選手としてトップ戦線を走りつつ、現在はパーソナルトレーナー、ポージングコーチとしても活動中。
【主な戦績】
<2018~2022年>
オールジャパンフィットネスチャンピオンシップス ビキニフィットネス163cm以下級 優勝
<2019・2021・2022年>
JBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS ビキニフィットネス 2位
<2022年>
IFBB世界フィットネス選手権 ビキニ 160 cm以下級 3位