“ナチュラルの顔”がタッグを組んだ新大会。「出るならしっかり絞ってこい!」




“ジュラシック” 木澤大祐と“狂気の男” 合戸孝二がタッグを組んで主催する「ジュラシックカップ Produce by 合戸孝二」が、10/29(日)に愛知・尾張旭市文化会館にて日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)公認で開催される。発表とともにフィットネス界隈を賑わせたこの大会に、2人はどんな思いを込めているのか。大会の運営・企画を担うジュラシックを突撃した。

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選手にスポンサーがつく未来を見据えて

「決してJBBFの大会に不満があるわけではないですが、『企業がスポンサードしたいような大会か?』と考えた時にどうか。現実的に、そうはなっていないんじゃないかと感じています」

ジュラシックカップ開催の狙いに関する問いの中で、こう話した木澤。その背景には、肉体労働をしながらボディビルを続けてきた自身の苦しい経験がある。一人でも多くの若者が、同じ経験をせずに純粋にボディビルに集中できるようにするために、そしてボディビルがスポーツとして認められるために――。企業からのサポートを得られるような魅力ある競技としていきたいというのは、2人のベテランビルダーが長年抱えてきた思いだ。

大会を主催するジュラシック木澤

「他の個人スポーツのように、選手個々にスポンサーがつく環境は今後の形としてありえると思っています。たとえば、フィジークならショーツにワッペンなどでロゴを入れることはできる。ボディビルのビルパンにそれは難しいでしょうが、たとえばスクリーンを使って、企業のロゴが大会を見ている方の目に焼き付くような仕掛けは十分に可能ですよね」

企業による選手個人へのサポートという点では、実際に名古屋のある介護施設にて、そこで働くフィジーク選手を施設がサポートしている例もあるとのこと。ボディビルを周囲に理解してもらい、勤務先に協力してもらえるような環境づくりも、目指すべき理想の一つ。大会を通じてそうした取り組みも発信し、環境改善のきっかけや架け橋となることも狙っている。

「すでに発表しているように、総額200万円の賞金を用意しているので、それも含めてまずは選手が『立ってみたい』と思えるステージにすることが一番。そして、僕自身もYouTubeという宣伝・発信できる媒体を持っているので、大会当日はもちろん、たとえば大会に向けた過程の動画の中でスポンサーさんのロゴが目に入るようにもできる。ボディビルの大会は、企業が協賛する価値のあるものであると示していきたいですね」

ナチュラルボディビルディングの追求

もともと木澤と合戸の中で以前からあった、「大会でもやろうか」という会話。「とはいえ、なんだかんだで今回も流れるんだろうなと思っていた」と木澤は言うが、昨年末に大口スポンサー候補が現れたことで話は加速し、スケジュール決定、会場確保と一気に進んでいった。

キーになるのは、「ボディビルのかっこよさを伝え、ボディビルを夢のある競技に」という2人の思い。そのために必須のビジネス的な側面もカバーしつつ、競技面で妥協するつもりはない。なんせ、合戸孝二と木澤大祐という重鎮がタッグを組み、かつJBBF公認として開催する大会だ。

木澤(左)、合戸(右)ともにトップビルダーとして日本のボディビル界を牽引してきた

「合戸さんはJBBFの“中の人”であるわけですし、僕も愛知県連盟の副理事なので、アンチドーピングを取り入れるのは当たり前。自分で言うのもあれですが、日本を代表する“ナチュラルの顔”である僕らがやる大会なんでね。そもそも、それで牽制にはなっていると思いますが(笑)。ドーピングチェックもちょっとハードルはありますが、実施する方向で考えています」

現状はエントリー開始前だが、カテゴリーはボディビル一本のシンプルスタイル。「3~4クラスの予定です。身長別や体重別ではなく、ジュニアあるいはU-20、ノービス(新人)、日本選手権レベルのトップカテゴリー、あとはその間くらい……そんな感じを考えています」とのことで、誰でもウェルカムの中でも、純然たる競技の場として強者が集まる大会となるのは間違いない。

加えて、観客を楽しませるための演出部分の調整もすでに動き出している。

「競技の間にもいろいろをやりますよ。まだ具体的に名前は出せないですが、ゲストの方を呼んで何かパフォーマンスをしてもらったり、ゲストポーザーもいたりで、かなりのものになる見込みです。審査員はJBBFのトップ選手に加えて違う業界の方も呼びます。大会自体は丸一日かかることはないので、審査の合間も含めて見に来てくれる方に楽しんでもらいたい。チケットは争奪戦になると予想しています。会場は約1000人規模ですが、そこが満員になればやっぱり選手も嬉しいでしょうから」

大会は名古屋を拠点とする木澤の地元・愛知県尾張旭市で開催

トップビルダーがタッグを組んでの開催という安心感、ボディビルの環境改善への深い思いと将来への期待、彼らの厚い人望によって生み出されるエンタメ要素……すでに10月が待ちきれないほどのワクワク感にあふれるジュラシックカップ。最後に、開催を楽しみにしている選手・ファンへ木澤からメッセージを送ってもらった。

「いろいろな狙いや思いはありますが、たくさんの選手に出てもらえることが僕たちにとっては一番うれしい。とくにノービス。すでにパーソナルでうちに来てくれる方や、セミナー会場でお会いする方からも『初めての大会として、ジュラシックカップに出たい』という声をたくさんいただいています。そうしてボディビルに興味を持っていただける方が増え、すそ野の広がりにつながればいいなと思います。いずれは、ここをきっかけに若い選手をJBBFの大会に送り込んでいきたい。ただし……」

木澤の言葉に熱がこもる。

「僕と合戸さんがつくる大会なんでね。出るならしっかり絞ってこいよ!」


現在、協賛企業は継続して募集中で、今後、クラウドファンディングを利用しての施策も行なっていくとのことです。「みなさんと一緒に大会をつくって、なるべく収益は選手に分配していける形にしたい」と木澤さんも言っているので、続報を待ちましょう。

【大会概要】
大会名:「ジュラシックカップ Produced by 合戸孝二」
開催日:2023年10月29日(日)
会場:愛知・尾張旭市文化会館
名鉄瀬戸線「尾張旭」駅下車 徒歩8分


取材・文・写真/木村雄大
※インタビュー写真は2020年12月に撮影したもの