”通用するのか”の疑念を払拭。那須川天心「必ずボクシングでも世界を獲ろうと思います」




4/8()有明アリーナにてプロボクシングイベント「PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING 4」が開催された。

豪華なカードが多数組まれる一大イベントとなり、会場は見事に満員。中でもとくに注目を集めたのが、スーパーバンタム級(55.34kg6回戦に挑んだ那須川天心だ。

前回の試合は昨年6月の「THE MATCH2022」であり、武尊との黄金カードを見事に突破。キックボクサーとしては42戦無敗と、脅威の成績を残してボクシング転向を決めてみせた。

今回の試合でも、デビュー戦にしてその注目度は規格外だった。相手はバンダム級日本人ランキング2位・与那覇勇気であり、日本ランカーとの闘いで「那須川天心はボクシングでも通用するのか」にファンの視線が集まった。

試合は1Rから、那須川の抜群のスピードが冴えわたる展開に。与那覇も強打の持ち主であるが、那須川の動きを上手くとらえられない様子だった。

2Rでは序盤、カウンター気味の右フックで那須川がダウンを奪取する。その後はダウンこそなかったものの、スピードと鋭いパンチで終始優勢に試合を進める那須川。最後は大差判定(59-53、60-53×2)により、那須川がボクサーデビューを白星で飾った。

試合後に出てきたのは「今日は本当にたくさんの応援ありがとうございました。対戦してくださった与那覇選手、メリットはなかったと思うんですけど、僕のデビュー戦を受けてくれてありがとうございます」という感謝の言葉。慣れない舞台とは思えないほどの強さを見せた”神童”だが、ここは伝説の序章にすぎない。

「これが限界じゃないんで。まだボクシングを始めて半年なんですけど、ここからさらに進化して、チームTEPPENや今まで自分がお世話になってきたキックボクシング・RIZEの代表や会長だったり、自分の親とかたくさんのチームとともに闘って、必ずボクシングでも世界を獲ろうと思っています」

ボクサーとしての経験が豊富な与那覇優勢の声もあった中、地力を見せる形となった那須川のデビュー戦。さらなる進化を誓っているだけに、今後の展開が楽しみだ。

「最高の会場で最高の試合をすることができました。KOはできなかったですけど、ちゃんとデビューを迎えることができたので、本当にみなさんに感謝しています。マジでありがとうございます」

【フォトは次のページへ】新たな伝説の始まりか。神童・那須川天心のボクサーデビュー!

文・写真/森本雄大