マッチョ消防士が実践する「家族に迷惑をかけない」筋トレ時間術




筋トレをしたいけど時間がない! そう頭を抱えている人も多いのではないだろうか。1日24時間という限られた時間の中で、仕事にプライベート、筋トレをこなす――。そんな充実した日々を送る方法を紹介すべく、社会人競技者たちの時間術に迫る本企画。今回は消防士、コンテスト選手、父親の三刀流を体現する蓮尾有亮さんに話を聞いた。

メリハリをつけつつ、振り返りで効率を最大化

昨年のSUMMER STYLE AWARD決勝大会でクラス優勝をはたした蓮尾有亮さん。そんな蓮尾さんの職業は消防士であり、防災活動に尽力する日々を送っている。

基本的に勤務は朝8時30分から翌朝8時30分まで。仕事のサイクルは当番制であり、当番・非番、当番・非番、当番・非番、休み・休みという循環で勤務にあたっている。非常時以外の職務内容は、事務処理や災害に備えての訓練、消防設備の視察などがメイン。ちなみに蓮尾さんの部隊では、トレーニングは各々が自己管理のもとで行なっているとのことだ。

以前は当番の日も早朝にジムへ行っていた蓮尾さんだが、ほぼ毎日のトレーニングでメリハリがなくなっていたと振り返る。それから当番日の朝は有酸素運動のみとし、絞りの強化に注力。意図的に筋トレする日数を減らすことで、非番や休日のトレーニングで集中力を発揮するようにしている。

「メリハリを意識してから、筋トレ効率が上がりました。非番や休みの日中は家族と出かける時間をつくりたいので、早朝や子どもが寝た後に筋トレをするようにしています。必然的にトレーニングの時間は短くなって、1回あたり長くて1時間半くらいに収めています」

好きなことをやらせてもらっているからこそ、家族に迷惑をかけたくない。そんな蓮尾さんが効率アップのために取り入れたのが「筋トレノート」をつけることだった。

「ノートにトレーニング時間、種目、重量、セット数などを記録して、前回からの変化がわかるようにしています。トレーニングの偏りがなくなりましたし、自分を客観視できて効率も上がったと思います。調子が悪い時も、自分の変化に気づけるようになりました」

1回のトレーニングを深く見つめることで改善点がみつかり、無駄も排除されて時短が実現。短時間でのトレーニングを課すことで集中力も上がったため、家族との時間をより多く確保できるようになったとのことだ。

ちなみに先述した平日朝の有酸素運動だが、これは絞り強化のためでもあり、蓮尾さんが自らに課したマイルールでもある。自分が決めたことをやり遂げることで自信がつき、コンテストでの堂々としたパフォーマンスにつながるのだという。朝に汗を流すことで、すっきりした気持ちで仕事に向かえるのもメリットと言えるだろう。

2022年のSUMMER STYLE AWARD決勝大会でクラス優勝をはたした蓮尾さん

「トレーニングを始めて一番よかったのは、生活にメリハリが出たことです。時間を決めて体を鍛えて、後は家族の時間や趣味にあてられるようになりました。今年はコンテスト出場を少し休んで、家族との時間を大切にしたいです」

穏やかな声で話す蓮尾さんの言葉からは、家族への愛が滲んでいた。そしてその優しい心は、消防士としての使命感にもつながっている。

「消防士は町のヒーローであり、困っている人を助けることが仕事だと思っています。災害時にたくましい消防士が来たほうが、市民のみなさんも安心しますよね。消防士である以上、トレーニングはずっと続けていきたいと思います」

メリハリを意識することと、時短トレーニングを可能にするノート術。家族との時間を大切にしたいトレーニーは、ぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。

取材・文/森本雄大
写真/中野皓太
写真提供/蓮尾有亮

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