筋トレをしたいけど時間がない! そう頭を抱えている人も多いのではないだろうか。1日24時間という限られた時間の中で、仕事にプライベート、筋トレをこなす――。そんな充実した日々を送る方法を紹介すべく、社会人競技者たちの時間術に迫る本企画。今回はシステムエンジニアとして働きつつ、ボディコンテストで実績を重ねる玉澤佳帆さんに話を聞いた。
変則的な仕事には、週単位のスケジュール管理が有効
「入社当初は仕事漬けの毎日でしたが、トレーニングを取り入れて時間を有効活用できるようになりました」
そう話すのは、SUMMER STYLE AWARDで活躍する玉澤佳帆さん。新卒からシステムエンジニアとして働く彼女は、多忙な日々の中にうまくトレーニングを組み込んでいるという。
玉澤さんの仕事が一般的なOLと異なるのは、勤務体系がフレックスなこと。朝は11時までに出社し、1日最低8時間は勤務。加えて月に数回はシステム管理などにより、深夜から早朝にかけての仕事が発生する。
通常時と繁忙期の波が激しく、変則的がゆえに打ち合わせが夜遅くなることもしばしば。そうなるとトレーニングに支障をきたすのが「ルーティーンが組みづらいこと」なのだという。そこで彼女が行きついた答えが、週単位でのトレーニング予定の管理だった。
「週の始めに、仕事のスケジュールと照らし合わせて何回、どの部位を鍛えるのか。それをいつやるのかを決めています。基本的には大きく下半身・背中・肩の3分割にして、プラスで腕など細かい部位を組み込む形ですね。ボーナスタイムもあらかじめ決めておいて、もし平日トレーニングができなければ、その分を土日でカバーするようにしています」
「何曜日の何時に筋トレ」と決めていても、仕事が入ればそうはいかない。玉澤さんは仕事柄、予定を都度設定することで最適なタイミングでのトレーニングを実現している。
「たとえば『今週は夜に筋トレ!』と決めたら、だいたい22時頃から2時間やるなどしています。たしかにその日は寝るのが遅くなりますが、夜やると決めていれば、翌朝に予定を入れないように調整できます。夜遅くまで仕事がある日は4時間くらい寝て、翌朝から筋トレするようなスケジュールが多いです。朝方まで働く日は、土日に回すなど都度調整していますね」
冒頭で語ったように仕事漬けの時期もあった中、試行錯誤してたどり着いたスタイル。仕事の効率化も並行して行ない、大好きな筋トレの時間を確保することに成功した。
「仕事で心がけているのは、その日のタスクを翌日に持ち越さないことです。飛び込みの仕事が入った時、残業してでも本来のタスクを完結させていけば、ぶれるのはその日だけ。残業した日は時間が取れなくても、次の日は絶対に自分の時間が取れるようになります」
加えて出社からのルーティーンを決めたり、マネジメントの立場では業務が円滑に回るような仕組みづくりをしているとのこと。トレーニングを始めてから仕事が効率化され、自然と成績も伸びるようになったという。
「たとえばYouTubeを見るのが好きな人なら、1日の中で動画を見る時間を確保すると思います。私もトレーニングが大好きで、絶対にその時間がほしいと考えているので、無理なく継続できているのかもしれませんね」
すべて定時勤務とはいかないのが仕事のジレンマ。フレックスな業務に従事する人にとっては、玉澤さんの時間術が参考になるかもしれない。
取材・文/森本雄大
写真/中野皓太