日本が誇る“パワービルダー”が見据えるのは世界の頂のみ【牛山恭太/ウッシー】#3




2023年3月の『ジャパンクラシックパワーリフティング(JCP)選手権大会』で、66kg級の世界記録を超えるトータル記録をたたき出したウッシーこと牛山恭太さん。その約1週間後には、イギリスで行なわれたパワーリフティングの世界大会『SBD SHEFFIELD』に挑戦。そこで記録更新とはならなかったものの、すでに次の舞台に向けて動き出しています。今回はウッシーさんに、目標としている世界の舞台での闘いについて聞きました。

 

来年もSBD SHEFFIELDに戻ってくる

――今年3月には、JCP選手権大会に続き、イギリスにわたってパワーリフティングの世界大会『SBD SHEFFIELD』にも出場しました。やはり1週間前に国内大会に出場した上で海外の大会にも出場するとなると、調整も難しかったのではないですか。

言い訳のようになってしまいますが、正直不安しかなかったです(笑)。とくに今回のJCPは世界大会の1週間前だったので、66kg級で出場するために2週連続で水抜きをしなければいけないというのは初めての体験で、出力が残せるか不安でした。結果、スクワットでは自己ベストを更新できたものの、ベンチプレスとデッドリフトでは普段の実力を出せませんでした。ただ、やったことがないことに挑戦したという点で良い経験を積めたので、プラスに捉えています。

――世界大会で難しい調整が要求される中、それでも2つの大会に出場したのはなぜですか。

来年も『SBD SHEFFIELD』に出場するためです。招待選手として出場できる唯一の大会なので、選ばれるためには特定の世界大会で一定以上の成績を残さなければいけません。来年の『SBD SHEFFIELD』に出場するためには、今年6月にイタリア・マルタで行なわれる大会で成績を残さないといけないのですが、その大会に出場するための権利がJCPに出場しないと得られないのです。僕は今年の結果にかかわらず来年も出場したいと思っていたので、今回はJCPに出場しました。

――『SBD SHEFFIELD』では記録更新とはなりませんでしたが、JCPでは非公認ながら世界記録を超えるトータル712.5kgを記録しました。JCPの試合後は反省点もあると語っていました。反省点はどのようなポイントですか。

とくにスクワットです。練習の中で240kgオーバーの重量に触れる機会が少ないので、動きの精度が悪かったです。ただ、世界大会ではそれを改善して自己ベストを更新することができました。もし世界大会でJCPと同じ記録を出せていたら……と考えるとやはり悔しいです。また来年もシェフィールドに戻ってくるためにも、さらにトレーニングを積んでいきます。

 

――今回の世界大会に出場して何か感じたことはありましたか。

招待制の大会が開催されるということは、競技の人気や知名度が上がってきた証だと思います。そして、その大会に出場できたことで世界的に評価してもらえているということを実感しました。結果は伴わなかったですが、観客やスタッフからもパワーリフティングの選手に対してのリスペクトが感じられたことが、僕はいちパワーリフターとしてとてもうれしかったです。

――最後に、今後の目標をお願いします。

来年にシェフィールドでリベンジをはたして、世界一になることです。そのためにもまずは6月、イタリア・マルタで開催される世界大会で世界記録を出して世界一になります。

取材・文/シュー・ハヤシ
写真提供/牛山恭太