佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.28 三久保宏治 後編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回は三久保宏治トレーナーのトレーニング編。多くのアスリートが取り組んでいる瞬発力を養うトレーニング、「ランドマイン」を初体験させてもらいました。

海外から最先端のトレーニングを積極的に取り入れている三久保宏治トレーナー。そのなかから、今回教えてもらうのはランドマイントレーニングです。三久保さんは「ランドマインユニバーシティ」という、日本では珍しいランドマイントレーニングを教える資格を保有しています。

 

「クリーンやスナッチといった重量挙げの動きがありますよね。これらは瞬発力を高めるにはいいのですが、動作を覚えるのに時間がかかり、ケガのリスクもあります。ランドマインを使って、この動きをやろうというトレーニングです」(三久保さん)

 

写真がランドマイン。動きではなく、器具の形を指してランドマインと言うそうです。

スポーツ動作に必要な力を出すための体重移動を、力強く、スムーズに行なう瞬発力を高めるトレーニングだということ。まずは準備のためのストレッチ、アップから始めていきます。

足首の柔軟性はとても大事。肩を回すイメージでゆっくり大きく回していきます。普通に生活していると足首を単体で動かすことがなく、また古傷を抱えていることもあり、コントロールがうまくできません。「関節は早く動かそうとするとあまり動かないので、ゆっくり動かしましょう」(三久保さん)

 

続いては傾斜を利用しての足首とふくらはぎのストレッチ。用意された台が絶妙な角度で足首、ふくらはぎにスッキリするくらいの伸びを感じます。

今度は壁に背中とお尻をつけて、ヒザは伸ばした状態で足首を上げ下げします。ゆっくり、しっかり足首を動かすことで、安定感をもたらせます。

体の向きを変えて、壁に手をついてふくらはぎをストレッチ。ここからカーフレイズのイメージでつま先立ちを繰り返します。

筋トレを兼ねたアップメニューに入っていきます。台の端に片足を乗せて、もう一方の足は後ろに引いてつま先立ちとなります。ここから、もも裏とふくらはぎがくっつくくらいまでヒザを曲げていきます。

アップの最後は傾斜を使ってのスクワット。手を前に組んでスクワットを行ないます。下で2秒くらい止めてから立ち上がります。下ろすときも上げるときも姿勢は真っすぐをキープします。

ここからはランドマインを扱うための練習へ。体重移動の動き、体の使い方をマスターするために、まずは壁を使ってアップを行ないます。右の手のひらと右の骨盤を壁につけ、体をしならせるイメージで右足はクロスさせながら後ろへ。前の左足はつま先立ちとなり、左ヒジは左の骨盤につけます。この姿勢を30秒キープ。

顔がすべてを物語っています。見た通り、この姿勢はめちゃくちゃしんどいです。ただ、のちにこの姿勢の意味がわかってきます。

 

いよいよランドマインを実際に使用します。最初は基本姿勢から。「スポーツは前に出ていく力が大事なので、ランドマインを使うときは必ず前重心です」(三久保さん)

 

親指と人差し指で輪っかをつくるようにしてバーを握り、みぞおちの辺りにセットし、重心は前にします。足は肩幅くらいに開いてつま先立ち。この姿勢を30秒キープします。

次のステップは基本姿勢からのスクワット。前重心のままスクワットをすると、上半身とスネが平行になります。前重心が基本なので、立ち上がるときは、前方に押すようにして上げます。

続いては「一番難しい」という、骨盤にヒジをつける動きの練習です。バーを持ったまま、下側に来たヒジを骨盤につけ、上側の肩は耳につけるようにするのですが、柔軟性に問題あり……。

次のステップはスタートポジションです。左手でバーを持ち、左のヒジは骨盤の上。右はバーに手を添えるだけで、右肩と右耳をつけるようにします。両足ともつま先立ちのまま、姿勢をキープします。右手でバーを持った場合はすべて逆になります。

スタートポジションの確認に続いては、フィニッシュ姿勢を覚えます。バーを持った手(写真は左)を伸ばして、バーを持っていない手(写真は右)のヒジは骨盤の上に置きます。足は前後にしてつま先立ちの姿勢をキープします。

今度はバーを使わず、実際の動作を覚えるためのステップです。一方の腕はヒジと骨盤をつけ、もう一方は肩と耳をつけた姿勢から足を後ろに引いてランジ。そこから立ち上がってつま先立ちに。さらに立ち上がった勢いでためた力を逆に動かしていきいます。写真では左にためた力を起き上がりながら右に入れ替えています。

一連のポイントを覚えたところで、ランドマインを使って体重移動の動きを行ないます。まずは右にためた力を左へ。スタート時は完全に右に体重を乗せた状態で、フィニッシュでは左に体重移動します。

反対側も。今度は左に乗せた力を右に移していきます。骨盤の上にあるヒジが入れ替わる感じです。

ぎこちなさはあるものの、三久保さんの丁寧な指導のおかげで、ランドマイン初体験ながらなんとか形になりました。この体重移動をうまくできると、スポーツシーンで、かなり活きてきそうです。常につま先立ちだったので、終了後はふくらはぎの疲労がハンパない!

 

というわけで、今回のトレーニングはここまで。初体験のランドマインはすごく楽しかったです。三久保さん、ありがとうございました。

 

【トレーナーPROFILE】
三久保宏治(みくぼ・こうじ)
小学校ではサッカー、中学校では卓球、高校ではバレーボールと幅広くスポーツに取り組み、大学在学中にクロスフィットと出会う。大学では英語教育を研究し、中学高校の英語の教員免許を取得。英語力を生かし、海外のトレーナーや文献から最新のトレーニングを学んでいる。大学卒業に上京し、クロスフィットトレーナーとして活動し、2021年に自らが主宰する「KJ PERFORMANCE GYM」を設立。佐々木憂流釈、藤田大和、倉本一真、Sareeeら、数多くのアスリートのフィジカルトレーナーを務める。
〔保有資格〕
クロスフィットレベル1・2トレーナー/ランドマインユニバーシティ/中学高校教員免許(英語)

 

【パーソナル情報】
KJ PERFORMANCE GYM
〔住所〕品川区小山2-12-19
★初回登録料=1万円(税抜)
〔料金〕
★10回チケット=現金払い6万5000円(税抜)/クレジットカード払い7万円(税抜)
★5回チケット=現金払い3万6000円(税抜)/クレジットカード払い4万円(税抜)
★1回==現金払い9000円(税抜)/クレジットカード払い1万円(税抜)
※そのほか、体験など詳細はHPをチェック

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。