澤木一貴さんに聞くトレーニング紹介シリーズ、今回はフォームローラー編です。胸椎の可動性をつくることで、猫背改善やスポーツにも役立つソラシックエクステンションをやってみましょう。
ソラシックとは胸椎、つまり背骨の上のほうのことです。エクステンションは伸展という意味ですね。やはりみなさん背中は丸くなりがちなので、それを物理的に伸ばして猫背を解消します。
胸椎は可動性が必要になる関節で、屈曲、伸展、側屈、回旋という左右合わせて6つの動きがあります。それがちゃんとできないと肩甲骨や肩も動かないし、骨盤回りの動きも悪くなってしまうので、胸椎に可動性をつくるというのはトレーニングをする上で一番大切なことです。
この種目では、不具合の改善やこれから運動を始めるための体づくりができます。体の機能性の面で言えば、野球などのボールを投げやすくなったり、ゴルフなどであればスイングがしやすくなったりします。不具合の改善の点では、猫背や肩こり、四十肩の予防にもなります。さまざまなことに応用できるのでマスト種目というか、誰にでもやってほしいくらいの種目です。それこそ「フォームローラーを買ったらすぐにやりましょう」と言えるくらいおすすめです。
さらに、すでにジムでトレーニングしているような人にもやっていただきたいトレーニングです。後に紹介する2種目も含めた、合計3種目を実施してからトレーニングを始めると非常にいいです。ベンチプレスやチェストプレスがとてもやりやすくなりますし、ショルダープレスやラットプルダウンでも手が上がりやすくなるので、大きな効果を感じられると思います。
澤木一貴（さわき・かずたか）
1971年5月3日、静岡県出身。日本大学在学中にエグザス二子玉川でマシンインストラクターを務める。大学卒業後、パーソナルトレーナーと並行して、フジ虎ノ門整形外科病院スポーツトレーナー科（主任）、ヒューマンアカデミー東京校スポーツカレッジ（常勤講師）などを歴任。2010年にSAWAKI GYMを創設した。現在は早稲田本店、高田馬場店、沖縄北谷店を運営。トレーニングに関する数多くの著書も持つ、パーソナルトレーナー界の第一人者の一人。
