11か月の減量で大会優勝。「体のデカさには自信があった」【阿部ロイ】




昨年はマッスルゲート静岡とゴールドジムジャパンカップに出場し、両大会で優勝。ジャパンカップでは大会MVPも獲得した阿部ロイ選手。インタビュー第2回は、あらためて昨年出場した大会を振り返ってもらいました。

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大会出場に向けて年始から減量を始めていた

――昨年は2大会に出場され、どちらの大会でも優勝。とてもボディビルデビューイヤーとは思えない活躍をされました。まずはマッスルゲート静岡を振り返っての感想をお願いします。

今まで鍛えてきた体を披露して、優勝することができたのでとても楽しかったです。でも、じつは静岡大会に出場する予定ではありませんでした。本当は10月の東京大会に出場しようと思っていたのですが、すぐに定員がいっぱいになってしまったんです。せっかくそこに向けて2022年の初めから減量していたので、近場の行きやすい県で開催されている大会を探して、静岡大会に出場することを決めました。

――11か月とは、初めてにしてはかなり長期間の減量ですね。

年始から大会までに約25kg減量しました。アメフト時代は好きなものを食べていたので、食欲がおさまらなくてつらかったです(笑)。本当にどうしても耐えられない日はチートデーにしていたので、何とかがんばれました。でも、仕上がりという点では、静岡大会当日はまだ絞りが甘いところもあったと思っています。体のデカさにはある程度の自信もあり勝負できると思っていましたが、優勝できるかは少し不安がありました。

――あれだけの体でもまだ不安があったのですね。

そうですね。マッスルゲートという初心者向けの大会とはいえ、他の選手の写真を見るとボディビルに出場されている方はかなり絞って出場されているので、それと見比べると「自分は全然まだまだだな……」と、鏡を見ても思いました。もともと太りやすく痩せにくい体質なので、油断しているとすぐに太ってしまうんです。だからこそ、減量にはしっかりと取り組もうと思います。

小沼さんの言葉に背中を押されジャパンカップへ

――静岡大会からジャパンカップまでは約1か月の期間がありました。この間はどのように取り組まれましたか。

静岡大会の経験を踏まえて摂取カロリーを少しだけ上げて、さらに有酸素運動の回数を増やした結果、静岡大会の時から2kgほど絞りが進みました。このまま続ければもうあと一絞りはいけたかなとも思いますが、ジャパンカップでは十分に合格点を超える体に仕上げられたかなという感じです。

――1か月の間、モチベーションを保つのは難しくなかったですか。

そうですね……。じつは、ジャパンカップは出場するつもりはありませんでした。静岡大会の時点で11か月も減量していたので「もういいかな、オフに入ろう」と思っていたのですが、ジムでポージング指導をしていただいている小沼敏雄さんから「出場したほうがいい」とおっしゃっていただいたので、その言葉に背中を押されて「どうせなら最後までいこう」と気持ちを切り替えて出場することにしました。

――優勝という看板を引っ提げてのジャパンカップはある程度の自信を持って臨めたのでは?

自分としては合格点をあげられる体に仕上げることはできていましたが、同階級には坂本陽斗選手をはじめとした有力選手が多く出場していたので、「3位くらいに入れたらいいかな」と思っていました。大会で優勝した後はジムで話しかけられることが増え、友達からも「おめでとう」などの言葉をいただけたので、とてもうれしかったです。

★次回は今後の目標について

取材・文/シュー・ハヤシ 写真/木村雄大

◆阿部選手のボディビルデビューイヤーとは思えないド迫力ボディ